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1943    

続大番 風雲篇

2007/3/30
1957年,日本,121分

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          ★★★★-  
     
 
 大きな借金を作って兜町にいられなくなったギューちゃんこと赤羽丑之助はほとぼりが冷めるまで実家で過ごすことにする。彼の仕送りで家を新築した実家では彼を下に置かない扱いで、町の人々を彼を名士扱い、つい気が大きくなって散在してしまう。7ヶ月が過ぎた後、おまきから百円の為替が届き、ほとぼりが冷めたから帰って来いといわれる…
  加東大介主演の『大番』シリーズの第2作。時代はいよいよ戦争に突入し、ギューちゃんも株式市場もてんやわんやの大騒ぎ。
監督 千葉泰樹
原作 獅子文六
脚色 笠原良三
撮影 西垣六郎
音楽 佐藤勝

出演 加東大介
     仲代達矢
     淡島千景
     谷晃
     沢村貞子
     原節子
     青山京子

 

 

 

 

 

 前作で相場に失敗し都落ちしたギューちゃんが再び兜町で奮闘するという話で、基本的には人情話である。しかし、昭和七年から十年くらい時代設定から、2.26事件などの歴史的な事件が株式相場と絡めて語られており、日本の経済史を垣間見ることもできる。
  ただ、物語の基本はあくまでもギューちゃんという主人公の浮き沈みと周囲の人との関係である。とくにこの第2作で中心となるのはギューちゃんと淡島千景演じるおまきの関係である。ギューちゃんは郷里に居た頃からの憧れの女性“可奈子お嬢さん”(原節子)への想いから「結婚はしない」と断言するが、郷里に帰っては浮気をし、その浮気をした芸者を東京に呼んでみたり、また景気がよくなると違う芸者に入れ込んでみたりと、ギューちゃんに尽くすおまきをないがしろにしてたびたび怒らせる。この浮気やら何やらを巡ってふたりがくっついたりはなれたりする展開がこの作品の中心にある。
  そのためギューちゃんの立身出世の物語なのか、日本の経済史を描いた話なのか、恋愛を描いた話なのか焦点がぼけてしまっているような気もするが、しかしそのどれもがこのギューちゃんという魅力的なキャラクターを描く上では不可欠なものなのだから、これでいいのだろうという気もする。日本の経済が下がり調子ならばギューちゃんの調子も下がり、お調子者の彼はしっぺ返しを食う。その浮沈は彼だけではなく、多くの日本人が経験した浮沈であり、彼はいわばそれを極端な形で経験する人間なのだろう。金が儲かれば豪邸も買い、女も囲む、しかしすってんてんになれば友達に頼り、昔からの女の人情を知る。そんなだから観客は彼に同情したり、応援したりできるのだ。主役然としていない加東大介だからこんな風な作品になり、よくわからないけど面白い作品になっているのだと思う。
  決して歴史に残る傑作ではないけれど、どの時代に見ても気楽に楽しめるいい作品だと思う。
  このシリーズは全4作が作られている。次はいよいよ日本が本格的に戦争へと入って行く時代。お調子者のギューちゃんは軍需産業に登記して大成功するのか、それとも戦場に行かざるを得ないのか、生まれぬ時代のことだけれど「ガンバレギューちゃん」とついつい応援してしまう。