I Am Legend
2007年,アメリカ,100分
監督:フランシス・ローレンス
原作:リチャード・マシスン
脚本:マーク・プロセヴィッチ、アキヴァ・ゴールズマン
撮影:アンドリュー・レスニー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ウィル・スミス、アリシー・ブラガ、ダッシュ・ミホク、チャーリー・ターハン

 2012年ニューヨーク、癌の特効薬として開発された薬でニューヨークの住人のほとんどが死滅。一人残ったロバート・ネヴィルはそのウィルスに対する特効薬を開発しようとする研究者だった。彼は相棒の犬のサムとともに食料を求めて街をさまよう…
 リチャード・マシスンのSFの古典「地球最後の男」の3度目の映画化。

 原作は「地球最後の男」、生き物をゾンビ化させるウィルスによってニューヨークの住人が一人を残して全員死滅、感染者たちは陽の光のもとでは活動できず、夜のみ活動する。そんな中、唯一を免疫を持ち、生き残った研究者のロバート・ネヴィルが感染者たちを治療する特効薬の研究に望みをつなぐ。

 そんな内容だがら、想像されるのは圧倒的なパニック映画。逃げて逃げて逃げまくり、数少ない生存者と出会い、戦いを挑むという。

 しかし、この映画は非常に穏やかに展開する。無人で廃墟と化したニューヨークをウィル・スミスがひとり犬と闊歩するのみ。研究室でマウスを実験台に実験をし、DVDショップでマネキンに話しかける。

 後半に入ると展開は一変し、いわゆるゾンビ映画/パニック映画の様相を呈するのだが、この後半にあまり新しさはない。ゾンビと化した感染者はかなり怖いので、それで迫力はあるが特段すごいというわけでもない。ウィル・スミスはいい役者になったと感じさせるが、この結末はちょっと臭すぎるというかあまりにあまりという感じで脚本で損をしているんじゃないかという気がする。

 そんな後半だからむしろ面白いのはゾンビ映画/パニック映画にしては長すぎて穏やか過ぎる前半だ。ここでの彼と犬のコンビはかなり見せてくれる。同じ原作で3度目の映画化というのがこのちょっと変わった構成にさせたのか、この構成は成功だと思うが、それでもやはりそれほど面白い作品にはならなかった。

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