| マーベル・コミックの作品はこの十年くらいででどんどん実写映画化されている。それはCG技術の進歩がアニメーションでしか表現できなかったものを実写に取り込むことが可能になったからだ。その中でも最もヒットしたのが『スパイダーマン』シリーズで、最も優れていると(私が)思うのが『X−MEN』シリーズだ。『X−MEN』は単にCGを使ってコミックの世界を表現するのではなく、その裏にある人間のさまざまな感情を描くことでそれが実写映画であることの必然性を示し、質のいいSF作品となった。
それ以外にも『ファンタスティック・フォー』『ブレイド』『デアデビル』『パニッシャー』などが映画化されている。それなりに面白いものもあるが、なんだかなぁというものもあるという感じだが、もともとしっかりした世界観が築かれているだけに作品としてのぶれはない。ただ、傾向としてシリーズ化が前提とされていることが多く(長年続いたシリーズを1作では表現できない)、第1作は導入部だけになってしまうことが多い。
この『ゴーストライダー』もシリーズ化が前提とされた導入的な要素を強く持つ作品だ。それでもブラックハートという敵を倒すことで自分の人生を取り戻し、愛する人も取り戻すことができるというわかりやすいプロットがあるので、ひとつの作品としてもそれなりに楽しめる。しかし、炎に包まれた髑髏の顔の主人公と、通過するだけで周囲のものを焼き尽くしてしまうバイクという設定はあまりに非現実的すぎて、現実の中に置くにはやはり無理があるのは否めない。『X−MEN』にしても『スパイダーマン』にしてもある程度異形のものではあるわけだけれど、このゴーストライダーはまったくその比ではない。いくら昼間は普通の人だとはいえ、それはあまりにあまりではないかというのが正直なところだ。
だから、その存在を周囲が容易に受け入れてしまうのがどうも納得いかない。これだけ異形のものだと、実際に目にしても否定してしまうのが人間ではないか。本当なら、それを前提にして彼らは完全に人の目から隠されるようではないと現実の物語としては成立しないと思う。
これはどうも実写化が裏目に出てしまった例ではないかと思う。せっかくニコラス・ケイジを使ってもゴーストライダーの間は顔が出ないわけだし、実際のところ誰でもいい。しかもこの作品のニコラス・ケイジはなんだか気持ち悪い。体がムキムキなのも気持ち悪いが、顔もなんだか気持ち悪い気がする。メイクのせいなのか、照明のせいなのか、整形のせいなのか…
こういうオカルトというか非現実的な物語が好きな人なら、この作品自体はそれなりに楽しめるのかもしれないが、続編はあまり期待できない。作品としてもそれほどヒットしなかったようだし、続編が作られるかどうかも微妙、作られたとしても主役は多分ニコラス・ケイジではなくなっていると思う…
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