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なんでもない映画、あるいはよくある話、ではあるが、最小限の出演者で作られており、中心となる3人がとてもいい。主役のマニーを演じるのは11歳のスカーレット・ヨハンソン、つらい境遇にもかかわらず素直さを失わない少女を好演している。子役といえば子役だが、ほんの小さな頃からやっていたというわけではなく、この作品が世間に認められたはじめての作品であると言っていいだろう。ショウビズ界にはいったのは8歳のときで、オフブロードウェイの舞台からはじめたらしい。『ゴースト・ワールド』、『ロスト・イン・トランスレーション』などでその演技力が賞賛される彼女の下地はその頃から作られていたというわけだ。
彼女が演じるマニーは物語り上では語り手であり、確かに主役ではあるのだが、目立つのはローとエレインであり、彼女たちの心のひずみである。ローとエレインは互いの心の空白を互いで埋めようとするわけだが、それまでに経験してきた社会の冷たさや不公平さがそれを食い止める。ローのほうは孤児という境遇を描く際のステレオタイプともいえるキャラクターであり、彼女にはあまり面白みはないが、エレインのほうはごく普通の人がごく普通の生活をしてきたにもかかわらず陥ってしまうような間隙に落ち込んでしまっている。誰もが陥る可能性のある精神的な不均衡、それを彼女は抱え、ローとマニーと時間を過ごすことでそのバランスをどうにか取り戻そうとしているのだ。
そのふたりがマニーがいることによって互いを何とか受け入れあい、自分を少しずつ解きほぐして行く。
書いてみると、やはりただそれだけの映画であり、いろいろな事件は起きるが、それは映画にはあまり関係がなく、ただただ3人の関係が重要だという映画である。問題を徹底的にそこに絞って作り上げた監督の手腕もかなりのものだと思うし、それを演じた3人の役者も非常にいい。本当にそれに尽きるのだが、それだけで十分に楽しめる映画である。
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