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はっきり言ってこの映画は面白いと私は思うが、万人受けというわけではないのではないかと思う。それはもちろんこれがスティーヴン・キングものであり、ホラーであるというのが第一の理由ではあるが、同時にスティーヴン・キングものが好きなような人にも必ずしも受け入れられないのではないかと思う。その理由はネタばれになるのでいえないが、これはむしろジョン・カーペンターあたりを好きな人に受けるような映画だ。『スタンド・バイ・ミー』や『ショーシャンクの空に』を期待している人はもちろんのこと、『キャリー』とか『ミザリー』の路線とも明らかに違う。まあ、スティーヴン・キング原作の映画というのは驚くほどたくさんあるので、似たような作品もあるのかもしれないが、私には思い当たらない。
それでもこの映画は面白い。ひとつネタを言ってしまえば、前半3分の1と後半3分の2ははっきり言って違う映画だ。前半部分はいかにもスティーヴン・キングなスリラーを期待させるのだが、後半は完全にカーペンター流のB級ホラーなのである。
なので、まあB級ホラー好きはぜひ見てくださいという感じになるのだが、以外にプロットがしっかりとしているのもいい。主役となる4人(ないし5人)のキャラクターがしっかり作ってあり、20年前という過去が現在と緊密につながっている。観客はその過去の秘密をあれこれと想像しながら、現在のパニックにも心を奪われるのだ。つまり、2つの時間が絡み合って、最終的にひとつの解決に向かう。そのようなシンプルな複雑さを持った展開のしかたがとてもいい。過去の秘密が明らかになっていくことに対する好奇心と、これからどうなっていくのかというドキドキ感、そのバランスがとても心地よく感じられる。
それでもやはりいい加減さや投げやりな感じが気にはなる。展開のスピードと映像のインパクトで観客をひきつけてしまえば、細かい部分のつじつまあわせはどうでもいいというのが見え見えなのだ。本当に観客がわれを忘れて映画に没頭してしまえば、確かに細部などどうでもよくなるわけだが、この映画にはそこまでの(たとえば『ゴースト・オブ・マーズ』のような)パワーはない。だから細部のあらが見えてしまって、興ざめしてしまう瞬間が時々訪れてしまうのだ。それでも、がんばって観客を圧倒しようとしているし、基本的には非常にうまくできている。中盤のヘリで一生攻撃するシーン(見ていなければ何のことかさっぱりわからないと思いますが)なんかかなりいいと思うなぁ…あのあたりにジョン・カーペンターの影を感じた。
ところで、(大人の)ダディッツを演じているのはドニー・ウォールバーグ、そうあのマーク・ウォールバーグの兄、それはつまり元ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(と言っても30代くらいの人にしかわからないだろうけど)。このあたりにもB級精神を感じずにはいられない。
ついでなので、ウォールバーグ兄弟の豆知識を少々。ドニーとマークのウォールバーグ兄弟はボストンのいわゆるレッドネックの家庭に生まれた。9人兄弟でマークが末っ子、ふたりは中学生の頃“ナヌーク”という男性ボーカルグループのオーディションに合格、マークは一年足らずでやめてしまうが、ドニーはそのまま活動を続け、後にそれがニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックとなって大ブレイク、ドニーはスターとなり松田聖子ともデュエットした。マークのほうは更正施設などに入っていたが、兄の後押しで“マーキー・マーク・アンド・ザ・ファンキー・パンチ”というグループでデビュー、これまた大人気となり、その後、役者に転身、『ブギーナイツ』が評判となって一気にスターにのし上がった。ドニーのほうもNKOTBの人気が落ちると、役者に転身するがマークほどの人気は出ないまま主に脇役での出演にとどまっているが、2001年にスピルバーグとトム・ハンクスがプロデュースしたテレビドラマ「バンド・オブ・ブラザース」では主役級の役どころを演じている。
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