ホーム メルマガ リスト

 

   

リーサル・ウェポン2/炎の約束

2004/3/31
Lethal Weapon 2
1989年,アメリカ,114分

 
            
     
 
 2台の車とのカーチェイスの末逃げられてしまったリッグスとロス市警の面々、しかし、乗り捨てられた車のトランクからは大量のクルーガー金貨が。その黒幕はリッグスとマータフを邪魔者と考えて排除しようとする。市警は2人をFBIの証人の保護にまわし、危険から遠ざけようとするが、2人がそのまま引き下がるわけもなく、証人を連れて事件の真相を暴きに向かう…
 『リーサル・ウェポン』シリーズの第2作。リッグスの自殺願望、麻薬課からの助っ人という設定が外れて、純然たる刑事もののアクションに。練りに練られた展開にうなること間違いなし。
監督 リチャード・ドナー
原案 シェーン・ブラック
    ウォーレン・マーフィ
脚本 ジェフリー・ボーム
撮影 スティーヴン・ゴールドブラット
音楽 マイケル・ケイメン
    エリック・クラプトン
    デヴィッド・サンボーン

出演 メル・ギブソン
    ダニー・グローヴァー
    ジョー・ペシ
    パッツィ・ケンジット
    ジョス・アックランド

 

 

 

リーサル・ウェポン2〜炎の約束〜

リーサル・ウェポン2〜炎の約束〜

 

 

 
 前作は確かに面白かった。それは2人の男の物語であり、事件を追う刑事もののアクションではあるけれど、人間の物語であった。それは純然たるアクション映画というよりは、コメディの要素を持ち合わせた人間ドラマであった。
 この第2作では、リッグスとマータフの関係性が確立され、リッグスはマータフの家族と深い付き合いにあるところから物語が始まる。そこでは人間関係は安定し、ドラマは生まれにくくなっている。それによってこの作品は第1作とはまったく違う映画になる。純然たる刑事アクション、凸凹コンビが巨悪を暴く、痛快アクションとなっているのである。そして、それがとてつもなく面白い。
 ちょうど東西連戦が終結した1989年に作られたこの映画、アメリカの外に巨悪は存在しなくなり、映画は作りにくくなった。そこで南アフリカを悪役にするというのは少々短絡的すぎるという気はするが、まあ、それはそれ。基本的にB級映画なのだから仕方ないとしておこう。
 そんなことよりも、この映画はとにかく面白い。第1作は登場人物たちが最大の魅力であり、そのキャラクターに魅せられたが、この作品ではその物語、映画の展開の仕方に魅せられる。
 なんといっても、映画のすべてのシーンがつながっている。映画の最初のほうで登場するどうでもいいようなシーンが後からつながってくる。そして、その一つ一つのシーンの意外性と面白さ。たとえばひとつネタばれすれば、マータフが署に入っていくと、リッグスが拘束衣を着せられてもがいている。それがまずショッキングというか、ついにという印象と、何やってんだ? という疑問の間くらいの感じで面白いし、それが「5分で抜け出せるかどうか」賭けをしているというのがまた面白い。そしてリッグスは肩の関節をはずして抜け出してしまう。それはそれだけのエピソードかと思いきや、それが後々効いてくるのだから、この映画は本当にすごい。

 そんな風にして綿密に練られたシーンとシーンのつながり、ひとつのカットが後々意味を持ってくる面白さ、そしてその一つ一つのシーンの面白さ。それが何度見ても面白いということを考えると、これはある種の御伽噺なのかもしれないとも思う。男のための御伽噺。
 主役の2人は第1作と比べるとヒーロー然としてしまったけれど、第1作から付け加えられたリオ・ゲッツという登場人物がサゲというか、映画を日常に引き落とす役割をしていて、観客が映画に入り込みやすくしている。2人が少し超人的になってしまっても、リオがいるので、観客も安心して2人と一緒に戦っている気分になれる。
 こんなに面白い映画だけれど、やっぱりどこかB級な感じも残している。それがまたいいんだなぁ。