ひみつの花園
2002/12/3
1997年,日本,83分
- 監督
- 矢口史靖
- 脚本
- 矢口史靖
- 鈴木卓爾
- 撮影
- 岸本正広
- 音楽
- 矢倉邦晃
- 出演
- 西田尚美
- 利重剛
- 加藤貴子
- 角替和枝
- 伊集院光
- 田中要次
子供のころからお金を数えることが大好きだった咲子は両親の勧めもあって銀行員になるが、他人のお金をいくら数えても満たされないことに気づく。そんな時、銀行に強盗が入り咲子は人質として連れ去られてしまう。しかし、その車が事故を起こし咲子は川に転落、スーツケースにつかまって九死に一生を得た。
話は、水の底に沈んでしまったスーツケースに5億円が入っていたことに咲子が気づくことから展開していくというドタバタコメディ。
『裸足のピクニック』で衝撃的なデビューを飾った矢口史靖監督がぴあが企画したYESプロジェクトで作った第2作。『裸足のピクニック』のB級路線を維持しながら、エンターテイメントとしての面白みを増した感じの作品。この作品以後、『アドレナリン・ドライブ』『ウォーターボーイズ』とB級テイストが失われていってしまった感がある。
これは極上のエンターテインメント。『裸足のピクニック』で衝撃的だった人形を使った特撮(?)がさらにパワーアップされた形でタイトル前の展開に登場するところはまさに噴飯もののB級笑い。特に地下水脈は最高。『親指…』を最初に見たときくらいの衝撃を受けました。
なので、これがツボに入ってしまえばあとはジェットコースターのように映画の展開にのっていける。別にめまぐるしい展開があるわけではなく、むしろ一つ一つのシーンの展開はじれったいほどのろのろとしているのだけれど、肝心なところをドカンととばすその大胆な展開がスピード感を作り出す。これも好みによってはじれったいと感じる人もいるかもしれないのですが、リズムが体にぴたりとあえば、それは心地よい時間。
ただ「笑え」、それがこの映画が持つメッセージ。コメディにヒューマンとかラヴとかを持ち込みがちなこのご時世、ただただ「笑え」といってくれるコメディは稀有な存在、だからこの作品はとても貴重なのです。
ということなので、見ていただければそれでいいわけですが、なぜ矢口史靖が面白くなくなってしまったのかを考えて見ましょう(『ウォーターボーイズ』はぼちぼち面白かったけれど、この映画のように突き抜けるものはなかった)。
推測としては、『裸足のピクニック』とこの作品で組んでいる鈴木卓爾が共同脚本から降りてしまったこと。別に仲たがいしたわけではないと思いますが、この作品以降は矢口史靖の単独脚本となっています。私の推測では、矢口的なものを越えた部分を鈴木卓爾が補っているのだということです。二人の感性があわさって、このエキセントリックなエンターテインメントが生まれるのではないかという推測。
この間まで公開していた『パルコ・フィクション』には矢口史靖と鈴木卓爾がともに監督して参加しているので、それを見てみれば、2人のカラーがどのように違いどのように重なっているのかがわかることでしょう。なので、それを見てからもう少し考えてみることにします。
