The Stupids
1996年,アメリカ,94分
監督:ジョン・ランディス
原作:ハリー・アラード、ジェームズ・マーシャル
脚本:ブレント・フォレスター
撮影:マンフレッド・グーテ
音楽:クリストファー・L・ストーン
出演:トム・アーノルド、マーク・メトカーフ、ジェシカ・ランディ

 郊外の住宅地に住むスタンレーとジョアンに子ども2人ののジュテューピッド一家。朝になると家の前のゴミがなくなっていることに気づいたスタンレーはゴミの盗難事件だと騒ぎ出し、その犯人を突き止めようと家の前で寝ずの番をする。そして、目撃したマスクの怪しい男たちを追ってローラーブレイドを飛ばす…
 日本で言えば馬鹿田さんとでもいう、ステューピッドという名前からしてふざけているが、とりあえずふざけておこうという感じのオーソドックスなどたばたコメディ。ネタもテンポも古典的、スタイルも狙いすぎの感あり。

 えーと、バカが偶然に偶然を重ねて、うまいこといったり、地球を救ってしまったりするのはよくある話ですが、この映画もそんな話。とはいっても、結局うまいこといっているのかというとそれは微妙なところ。そもそもドタバタコメディの巨匠ジョン・ランディスだけに結論なんてどうでもいいわけですが。 それにしてもこの映画はなんだかね。ギャグも弱いし、面白そうな題材を掘り下げないし、邦題のせいもあるけれど、せっかくの宇宙人もあまり活躍しないし。個人的にはもっとあの宇宙人を活躍させて欲しかったと思いますね。なんといっても映画の中で一番面白いキャラだったし。あとは、謎のCGの猫。なぜあの猫はCGなのか? そして、それが全く生かされていないのはなぜなのか? それもギャグ?
 この映画を見ていて思ったのは、ハリウッド映画は、特にコメディは、後ろを振り返らないということ。いろいろなことがおき、どんどん話が展開していくのがハリウッド映画で、どんどんどんどん転がって、どんどんどんどん話が変わって、めでたしめでたしハッピーエンド! で終わるわけですが、別にハッピーエンドでなくてもいいんですが、よく考えるとそれまでに起こったことの始末は何一つつけていない。よく考えると、「あれはどうなった?」「これはどうなった?」という疑問符のオンパレードなわけですが、それはとにかく置いておいて、「よかったよかった」とか、「なんていい話でしょう」とかいっている。まあ、別にそれでいいんですが、脚本家とか、原作者がいるときとかはそれで納得してもらえるのだろうか? などといろんな疑問が頭をよぎります。
 この映画でよかったところといえば、ステューピッド家の家の内装のエキセントリックさかな。おもにピンクと水色で構成されていたのは、多分精神医学的な裏づけを取った符合でしょう。チェックのものがいっぱいあったのも考え合わせると、幼児化傾向とか未発達とか、そういうことをあらわしている(勝手な想像)。その色彩の組み合わせがエキセントリックでよろしい。

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