The Alligator People
1959年,アメリカ,74分
監督:ロイ・デル・ルース
脚本:オーヴィル・H・ハンプトン
撮影:カール・ストラス
音楽:アーヴィング・ガーツ
出演:ジョージ・マクレディ、ロン・チェイニー・Jr、ビヴァリー・ガーランド

 精神科医がたまたま看護婦の心に潜む恐ろしい記憶を探り当ててしまった。彼が友人の医師にも聞かせたその秘密は、彼女は一人の男と結婚したが、新婚旅行中に電報を見た彼が忽然と姿を消し待ったというものだった。果たして彼のみに何が起こったのか…
 このころのアメリカの流行のB級恐怖映画。サイレント時代からいわゆるB級の映画をとってきたロイ・デル・ルースの晩年の作品であり、『エクソシスト』や『ゴッドファーザー』などで活躍することになる特殊メイクのディック・スミスがメイクに名を連ねていることにも注目。

 この監督さんはよく知らないし、代表作がなんだかもわかりませんが、フィルモグラフィーを見ると、100本近い監督作品があります。きらびやかな経歴を誇る監督がいる一方でこういう地味な仕事をしている監督もいるということです。それこそがハリウッドというような気がします。
 映画のほうはというと、完全に古典的な恐怖映画(タイトルの頭に「恐怖の」とついている時点で怪しい)で、それはまさに時代を象徴しています。50年代後半から60年代にかけてはこういった恐怖映画が多く作られた時代で、「ホラー映画」と呼ばれる70年代以降の作品を見てしまうと、子供だましにしか見えず、とても恐怖を覚えるのは難しいですが、そのチープな味わいが好きだというB級映画ファンは多いはず。
 その場合、どうしても笑いのほうに近づいてしまいますが、この映画も最後のオチの部分ではついつい笑ってしまいました。やっているほうは大真面目なので、笑っては失礼なのですが、意外な展開だった上に全く怖さがなかったもので。
 えー、映画史的にはこういう作品も重要で(この作品が重要というわけではないけれど)、1本くらいこんなん見てても罰は当たらないかなという気がします。もしかしたら、心の底に隠れていたマニア心をくすぐられるかもしれないし…

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