Goldeneye
1995年,アメリカ,130分
監督:マーティン・キャンベル
原案:マイケル・フランス
脚本:ジェフリー・ケイン、ブルース・フィアスティン
撮影:デレク・メディングス
音楽:エリック・セラ
出演:ピアース・ブロスナン、ショーン・ビーン、イザベル・スコルプコ、チャッキー・カリョ、ジュデュ・デンチ

 冷戦時代、ソ連の化学兵器研究所へと潜入したジェームズ・ボンドは相棒の006ことマックスを残して逃げ出してしまった。その9年後、アメリカ海軍の最新のヘリコプターが旧ソ連の女性パイロットによって盗まれてしまう。衛星写真の分析から北ロシアの基地にそのヘリコプターがあることを発見するが、その直後、その基地は破壊されてしまう…
 ピアース・ブロスナンを5代目ジェームズ・ボンドに迎えた007シリーズ第17作。スタッフ/キャストを一新し、新しい007を作り出した。

 冒頭のダムを飛び降りるシーンのすごさにぐっとつかまれる。ピアース・ブロスナンのボンドもそれほど違和感はない。その後まっとうなアクション映画のように進んでいくけれど、おなじみの秘密兵器研究所あたりから007らしくなってくる。やはり007はその過剰さがなくてはいけない。ジェームズ・ボンドというスーパーマンの不自然なまでのすごさがやはりいい。圧巻は戦車のシーン。かなり長い時間を割かれたそのカーチェイスならぬ戦車チェイスは笑ってしまうくらいすごい。過剰さが笑いを誘うアクションというのはやはりいいですね。ほかにもそんなシーンがたくさんあるので楽しめます。
 この映画は冷戦後を冷戦を引きずって描いている。「旧ソ連」の一部の人々がスパイの敵になるという設定。この方法は冷戦時代の方法を生かすことができるのでやりやすいでしょう。しかし時がたつにつれ、リアルさが薄れてくると思われるので、こればかりに頼っているわけには行かない。007もこれ以降は冷戦からは距離を置いているようです。
 これからのスパイ映画を考えるとやはり、対テロリストというのがホットなトピックになるでしょうか。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」はテロリストの話だったような気が… 個人的にはアメリカの陰謀を暴くイランのスパイ映画なんかがあったら見たいですが、誰か作ってくれないかなー、そういう映画。

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