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夏物語

2001/11/16
Conte D'Ete
1996年,フランス,114分

 
            
     
 
 ガスパールはバカンスを過ごすため、友人の家を借りてディナールへやってきた。街をぶらぶらとしてクレープ屋へよった彼は翌日一人海へ行き、そのクレープ屋でバイトをする女の子と出会い、仲良くなる。どことなく人待ち顔のガスパールは実は思いを寄せるガールフレンドを探していて…
 エリック・ロメールの「四季の物語」シリーズの3作目。1人の男と3人の女を描いたロメールらしいラブ・ストーリー。
監督 エリック・ロメール
脚本 エリック・ロメール
撮影 ダイアン・バラティエ
音楽 フィリップ・エデル
    セバスチャン・エルムス

出演 
メルヴィル・プポー
    アマンダ・ラングレ
    オーレリア・ノラン
    グウェナウェル・シモン

 

 

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 エリック・ロメールの映画というと、私ははずれはないけれど大当りもないというイメージがあります。しかしそんな中でこの映画はかなり好きなもの。四季の中でも一番でしょう。
 ロメールの作品は遠目のショットが多い。大体が人物の全身がすっぽり入る感じ。だから画面の大部分を占めるのは風景ということになり、それがロメールらしい味わいとなる。この映画でも、印象に残るのは、海・空・浜・山、人物よりは風景だと思う。それがロメールの爽やかさ、おしゃれな感じにつながっているのでしょう。
 さて、そんなことよりもこの映画が素晴らしいのはその詩情。どうにも優柔不断な男であるガスパールのキャラクターは男なら誰もがどこか引っかかる自己像だと思う。女性でもそんな男にいらいらしつつ、その恋愛劇にあこがれてしまうようなそんなみずみずしさ。誰もが自分の体験と重ね合わせることができるような物語。そんな憧れとか思い出とかそんな形で自分にひきつけることができる物語であること、それが素晴らしいところ。
 多くの映画はそこに没入することによって体験するものだけれど、ロメールの映画は逆に映画の中の人物や出来事を自分の体験にひきつけることによって経験できるもの。そのような映画が与えるのは非日常的な経験によって日常生活を乗り越えることではなく、直接的に自分の日常に何かを加えること。自分自身を(無意識にでも)内省することによって、何らかの活力とか意欲とかそのような動力が生み出されること。そのようなことだと思います。多分。なんとなく見ると元気になる気がします。