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生きる

2001/9/9
1952年,日本,143分

 
            
     
 
 とある市役所の市民課長を務める渡辺はただ何もしないことで、30年間勤めを果たしてきた。そんな彼が突然役所を休む。胃に違和感を感じたので検査をしに病院に行ったのだ。待合室で、ほかの患者としゃべった彼は自分が胃癌であると確信するに至る。自分の命がもうわずかしか残されていないことを知った彼は絶望のふちに立たされるが、ただ一人の息子に打ち明けることもできなかった…
 黒澤明のヒューマンドラマの傑作のひとつ。志村喬をはじめとした役者の演技がものすごい。
監督 黒澤明
脚本 黒澤明
    橋本忍
    小国英雄
撮影 仲居朝一
音楽 早坂文雄

出演 
志村喬
    金子信雄
    小田切みき
    伊藤雄之助

 

 

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 なんといってもすごいのは、登場する人たちの顔。とにかく、語るべきことのほとんどを表情に語らせているといっていいほど、顔がすごい。特にすごいのは志村喬のこぼれ落ちそうな目だけれど、それに限らずみんながみんな表情でセリフ以上のことを物語る。だから、セリフのない長い1カットがあってもそれが苦痛ではなく、むしろ画面から目を話せなくなるというすごさがある。
 それにともなってクロースアップの画面が多くなるけれど、クロースアップ以外の場面でも顔の演技は続けられ、複数の人の表情が同時に変化したりもする。この緻密な演出が巨匠ならではということなのだろうけれど、この映画に限って言えば、キャスティングの妙というのも見逃せない。おなじみの顔が多いとは言っても、適材適所、見事にはまる役どころに人を配し、見事な演技をさせる。
 一番すきなのは、渡辺課長が最後に部下の女の子と会う場面。ここでの二人の顔での応酬は本当にすごい。すばらしいというよりはすごい。ふたりが映るショットとクロースアップを見事に織り交ぜて、あのたどたどしいセリフにもかかわらずスピード感さえ感じさせるシーンになっているのだから、すごいという以外ない。
 内容に関しては個人的には葬式のシーンがちょっと長すぎたかなという気もしました。あそこの参列者たちの心情の変化なんかを見ているのは面白いけれど、それ自体は特に目新しい内容でもなく、おそらく30分以上あったと思いますが、それは引っ張りすぎかなという気がしました。
 説教くさいという気もしますが、必ずしもその説教が不快ではないような説得力を持つように映画が作られているので、それは結構いい。おなかにずしんと来ます。