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日々是映画内
黒い十人の女
2001/7/7
1961年,日本,103分
夜道を歩くひとりの女。それを追いかける8人の女。ひとりの男・松吉を巡って8人の女は1人の女をつるし上げる。事の起こりはテレビ局のプロデューサーである松吉がたくさんの女と付き合っていたことだが、女たちもいつからか互いに知るようになり反目しあったり松吉の悪口を言い合ったりするようになっていた。
豪華女優陣を使って1人の男と10人の女の愛憎劇を描くという壮大な映画。なんといっても唯一の男性船越英二の演技が秀逸。市川崑監督の代表作のひとつでもある。
監督
市川崑
脚本 和田夏十
撮影 小林節雄
音楽 芥川也寸志
出演
船越英二
山本富士子
岸恵子
宮城まり子
中村玉緒
岸田今日子
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この映画はすごいです。60年代に入り、モダニズムが勃興し… という日本映画のちょっとした歴史に符合するようにモダニズムの空気が流れています。といっても斬新な画面の連続というわけではなく、ぱっと見た構図の妙が非常に美しい映画。有名な「十人の女が浜辺で船越英二を取り囲む」シーンなどはやはり非常に美しいです。そしてシネスコの画面の使い方が見事なのはやはりカメラマンが小林節雄だからでしょうか。増村映画をやったときに何度もいいましたが、小林節雄のシネスコの画面のつぶし方はすごいのです。この映画でも登場人物を偏らせて撮るカットはやはり面白い。小林節雄の定番、画面の前に遮蔽物を置いて画面の半分くらいを殺してしまう構図も出てきます。
そして、なぜとはなく引き込まれてしまうプロットがこの映画の魅力。謎らしい謎もあまりないのに引き込まれてしまうのはやはり船越英二の煮え切らなさと十人の女(主には5人)のキャラクターのなせる技でしょう。ここからもっともっと話を膨らませてもう5本くらい映画が作れてしまいそうなそれくらいの濃さですから、それを2時間に押し込めてしまえば面白くないはずがない。ちなみに、十人の女たちは皆数字を絡めた名前になっているのですが、1が山本富士子(双葉)ではなくて、岸恵子(市子)であるというのも意味深な感じ。11人目になるか?と思わせた女が「百瀬桃子」というのもなかなか面白いところ。
などなど不朽の名作ということはできませんが、いろいろな意味で面白い作品でした。伊丹一三とか、クレイジーキャッツなんかも出ているし。なんでも大映映画の何十周年かの記念作品らしいです。