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丹下左膳余話 百万両の壺

2001/4/15
1935年,日本,91分

 
            
     
 
 柳生藩の殿様は、自分の家の壺に百万両のありかが塗りこめられていること知る。しかし、見た目二束三文のその壺は弟が江戸へ婿養子に行くときにくれてやってしまっていた。藩主は使いをやってその壺を取り戻そうとするが、そうそううまくはいかない。
 時代劇でありながら、コメディ映画。しかもハリウッドのスラップスティックコメディを思わせるような軽快なテンポに驚かされる。
監督 山中貞雄
原作 林不忘
脚本 三村伸太郎
撮影 安本淳
音楽 西梧郎

出演 
大河内伝次郎
    喜代三
    沢村国太郎

 

 

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 70年近く前の映画なのにこれだけ笑えるというのもすごいし、それだけ映画の形式として完成されていたというのもすごい。構図とか画面内・画面外での役者の動きなんかももちろんすごいけれども、それは構成にまで評価される監督には当たり前といっては失礼だけれど、欠かせない要素なわけで、そのこと自体にはそれほど驚きはなかった。
 だから、むしろ驚いたのはその笑いのセンスや、映画全体の躍動感。細部よりも全体を通して一つの面白いコメディ映画として仕上げているところがすごい。一番面白いと思ったのは、ひとつひとつのネタ自体はそれほど意外性があるわけではないけれど、それを映画という手段によって笑いにもっていくということ。具体的にいえば、オチの前倒しというか、ネタを転がす部分を省くところ。一例をあげると安坊が竹馬を欲しいと言ってごねる場面で、女将さんは「駄目」といっているのに、カットが変わっていきなり安坊が竹馬に乗っている。言葉で説明すればただそれだけのことなのだけれど、このテンポが非常に面白いのです。
 やはり名作は名作といわれるだけのことはあるのだと改めて実感させられる作品でした。