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ミラーズ・クロッシング

2001/4/1
Miller's Crossing
1990年,アメリカ,115分

 
            
     
 
 1929年、アメリカ。街のボス・レオは腹心のトムに全幅の信頼を置いていた。トムは孤高の男で、賭けの借金がかさんでもレオに頼ろうとはしなかった。一方、街では最近イタリア系のギャング・キャスパーが勢力を伸ばしつつあった。そんなある日、レオの情婦ヴァーナが夜中トムのもとを訪れる。
 そこらのギャング映画とはまったく違うコーエン兄弟独特の雰囲気がすべてを染める。ストーリー、フレーミング、音楽、カメラの動き、どれをとっても一級品のコーエン兄弟渾身のフィルム・ノワール。
監督 ジョエル・コーエン
脚本 イーサン・コーエン
    ジョエル・コーエン
撮影 バリー・ソネンフェルド
音楽 カーター・バーウェル

出演 
ガブリエル・バーン
    アルバート・フィニー
    マーシャ・ゲイ・ハーデン
    ジョン・タトゥーロ
    スティーヴ・ブシェミ

 

 

 

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ミラーズ・クロッシング

 

 

 
 やはり、この演出力とカメラの動かし方、音楽の使い方と何をとっても圧倒的な力を持つ作品。それが最も現れているシーンは、レオが機関銃を持った殺し屋に襲われるシーン。蓄音機から流れるオペラに乗って、ものすごい撃ち合いが、想像だにしない形で映像化される。
 この作品で一番目を引くのは被写体の大きさの急激な変化。アップでとらえていた人を急にひきの画で撮ったり、もちろんその逆があったり、ズームアップやトラックアップも変化をつけて使っている。最近非常によく使われるコマ送りのようなズームアップ(分かるかな?これで)が、しっかりと使われていることもいま見るとかなり目をひく。
 他にもたくさん書くことはありそうですが、例えば、小さな繰り返しの使い方。一番大きいのは帽子、それからミラーズ・クロッシング(十字路)の遠景。だけれど、クラブの表札、トムの部屋の電話などなど、最初は何の説明もなくポンとでてくるものが繰り返されるうちに、終盤にはぱっと画面に登場しただけで、それが何であるかが分かるような演出。そのあたりもかなり周到な計算が感じられる。
 あとは、微妙に語られるホモセクシュアルのことなんかもいいですね。ホモセクシュアルな三人の関係性は実はトムとレオとヴァーナの関係性と完全に対照のものとして物語に大きな役割を負っているにもかかわらず、それをこの20年代という時代にあわせて、隠してしまう。これもまたかなり微妙でうまい脚本といいたいところ。