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日々是映画内
くちづけ
2001/3/26
1957年,日本,74分
拘置所に父親の面会にやってきた欽一は選挙違反で拘留されている父親に「早く出してくれ」と囁かれ、10万円の保釈金を作らなければならなくなった。そんな時、拘置所で同じく父親が拘留されている章子に出会った…
溝口健二や市川昆の助監督を勤めていた増村保造がはじめて監督をした作品。ヌーベルヴァーグを思わせるスタイルは当時では新鮮だったと思わせる、簡潔な青春ドラマ。
監督
増村保造
原作 川口松太郎
脚本 舟橋和郎
撮影 小原譲治
音楽 塚原哲夫
出演
川口浩
野添ひとみ
三益愛子
若松健
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いま増村的と考えるものとは少し違う。ロングショットが多用されていたりするし、直線的なパースペクティブが重要な場面で利用されていたりする。しかし、これは以後の映画でも所々に見られる手法で、増村の一つの「道具」ではあると思う。この映画では逆にそのような手法が前面に押し出され、「増村的」なものは小道具として利用される。一つの理由はこの映画がスタンダードで撮られていて画面の偏りを利用する構図が利用出来ないことだろう。
それにしても、ドラマとしてはすごく分かりやすく爽やかな感じ。初期増村の映画はどれもさっぱりとしていて、テンポが速くて、爽快な作品が多いけれど、これもそんな作品でした。スピード感としては「
青空娘
」や「
最高殊勲夫人
」には劣るという気がしますが、それはおそらくストーリーがわかりやすいせいでしょう。74分という短さでこれだけのストーリーを展開させてしまうのはやはりかなりのスピード。
さて、余談ですが、原作者の川口松太郎は川口浩の父親だそうな。共演の野添ひとみは後の川口浩の奥さん。母親役の三益愛子は本当に川口浩のお母さん(要するに松太郎さんの奥さん)というなんだかファミリーな映画なのでした。