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兵隊やくざ

2001/1/17
1965年,日本,102分

 
            
     
 
 軍隊嫌いで昇格もせず、一年後の除隊を楽しみにだらだらと上等兵をしている有田に一年兵の世話をしろという命令が下る。その一年兵大宮貴三郎は上官にはむかう問題児だった。しかし、有田は大宮を気に入り、大宮も有田を慕うようになっていった。そんな中、戦況は徐々に悪化して行く…
 増村がはじめて本格的に勝新太郎と組んだ作品であり、はじめての戦争映画でもある。しかし増村はこの作品を「青春映画」であると語った。

監督 増村保造
原作 有馬頼義
脚本 菊島隆三
撮影 小林節雄
音楽 山本直純

出演 勝新太郎
    田村高廣
    淡路恵子
    早川雄三
    成田三樹夫

 

 

 

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 舞台を軍隊に移しても増村は増村だということがまずある。それは主人公として描く人間の人間性であり、映画のとり方である。主人公が兵隊に代わっても増村の描く主人公は自分の意志を決して曲げない強い人間であり、しかし決して冷酷ではない人間だ。
 そして撮り方も変わらない。この時期多くの作品でカメラを勤める小林節雄がこの作品でもカメラを回し、変わらぬ質の映像を提供する。いつも言っている登場人物が片側による構図も相変わらず使われており、安心して見られる。
 この映画で面白いのはとにかく喧嘩のシーンがやたらと多いことと全体が意外にコメディタッチでまとめられているのだろうか。これまでの増村映画の印象からするとあまりアクションシーンというか殴り合いのシーンなんかはなかったような気がする。男が女を張り倒したり、女が男に馬乗りになったり、女が男を刺したりというシーンはあっても、それは一瞬のことであり、いわゆる喧嘩というシーンは印象に残っていない。だからどうということでもないのだけれど、この喧嘩のシーンで印象的なのは、決して蹴ったり殴ったりするときにアップに寄らないということだ。今普通に考えると、アクションの迫力を増すためには殴る瞬間をアップのスローで映したりするものだが、この映画では喧嘩のシーンはとにかく引きで撮る。寄っても全身映るくらい。これもひとつの増村美学なのだろうかなどということを考えてしまった。