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日々是映画内
濡れた二人
2001/1/13
1968年,日本,82分
32歳人妻の万里子は仕事仕事でまったくかまってくれない夫にまたも旅行を断られ、一人旅にでることにした。行き先はいず、昔女中をしていた勝江のところに厄介になることにした。そしてそこで漁師をする情熱的な25歳の若者繁男に出会い…
円熟味を増した若尾文子の妖艶な演技と増村保造の粘っこい演出がなんともいえない激しく濃厚なドラマを作っている。
監督 増村保造
原作
笹沢左保
脚本 山田信夫
重松孝子
撮影 小林節雄
音楽 林光
出演 若尾文子
北大路欣也
高橋悦史
渚まゆみ
小山内淳
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いまなら昼ドラな感じのこの作品。若い男と旅先で不倫。しかし、その奥には増村らしい激しいドラマが… なんと言っても、最後まで若尾綾子が表情を崩さないのがすごい。喜びや絶望を表情に湛えはするのだけれど、最後までどこか余裕を感じさせる表情で押し切るその強さがやはり、増村保造的女性像を一身に受けた感じがして素晴らしかった。
というのも、増村×若尾コンビはこの作品の次「千羽鶴」で最後となったのである。合計20本もの作品を作ったコンビでなければ出来ないいわゆる「あうん」の呼吸がこの作品には感じられる。増村が思い描く女性像を若尾文子がためらいもなく演じて見せるその刹那、北大路欣也が演じる繁男は間違いなく若造で滑稽で子供だ。最期一人悲惨な境遇に陥ったように見える若尾文子演じる万里子こそが実は真の自由と真の自分自身を手に入れた勝利者であるのだろう。そしてその自由を感受できるだけの強さを見につけるためにこの苦難が彼女に必要だったのだろう。
私がここから勝手に読み取るのは、「女は強くあれ、しかし女は弱いものだ」という考え方。なんとなく明快ではないけれど、そんなことを増村×若尾コンビの映画は語りかけてくるように思える。