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人民の勇気

2000/12/29
El Coraje del Pueblo
1971年,ボリビア,100分

 
            
     
 
 行進するデモ隊、それを待ち受ける軍隊。映画は1942年ボリビアで400人以上の死者を出したカタビの虐殺の再現で始まる。そこからいくつモノ虐殺の事実が列挙され、その責任者の名が声高に叫ばれる。映画の中心は1967年にシグロ・ベインテの錫高山で起こった虐殺事件を再現することに当てられる。実際にその虐殺を経験し、生き延びた人々が自らの経験を再現し、演じる。それは見ているものの心をも怒りで震わせる。
 この映画が作られた3年前の1968年、ボリビアでは革命政府が成立し、このような映画を発表することが可能になった。しかし革命政府は脆弱で、アメリカ帝国主義の頸から脱し切れてるとはいえない状態だった。そのような状態でウカマウは革命の継続を訴え、人民を更なる行進へといざなうためにこのような映画を作ったのだろう。

監督 ホルヘ・サンヒネス
脚本 ホルヘ・サンヒネスとウカマウ
撮影 アントニオ・エギノ
音楽 アベラルド・クッシェニル
出演 シグロ・ベインテの住人たち

 

 

 

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 この作品はウカマウの作品の中でもメッセージがはっきりし、描く題材も具体的でわかりやすい。この映画にこめられているのは、「軍事独裁の時代を忘れない」というメッセージあり、「反米帝国主義路線を歩きつづけよう!」という政治宣伝である。
 そして、その目的を非常によく果たしている。見たものはアメリカと軍事独裁政権の悪行に怒り、震え、拳を突き上げるだろう。そうさせる要因は何なのかといえば、それが事実であるのはもちろんだが、なんといっても音響の使い方にあるだろう。まさに虐殺が起こっているときに鳴り響きつづけるサイレンの音が見ているものの神経を逆撫で、苛立ちを募らせる。それは拷問を受けながらも、殺されることがわかっていながら抵抗出来ない労働者たちの苛立ちに似ている。そんな労働者たちの苛立ちを疑似体験した我々は立ち上がらなくてはならない気分にさせられる。
 とはいえ、私が立ち上がるわけではないですが…
 とにかく、映画にこれだけの力があるということを示すのがウカマウの映画であるということを再認識したのでした。