The Hi-Lo Country
1998年,アメリカ,114分
監督:スティーヴン・フリアーズ
原作:マックス・エヴァンズ
脚本:ウォロン・グリーン
撮影:オリヴァー・ステイプルトン
音楽:カーター・バーウェル
出演:ビリー・クラダップ、ウディ・ハレルソン、サム・エリオット、ペネロペ・クルス、パトリシア・アークエット

 第二次大戦後のアメリカ西部。故郷ハイローへ復員してきたカウボーイの青年ピートはダンス・パーティーでモナに心を奪われる。しかし彼女は戦争中にのし上がり町を支配するジムエドの側近の妻となっていた。一方ピートの親友ビッグ・ボーイも復員してくる。ジムエドに対抗しようとがんばる二人だったが、ビッグ・ボーイがピートに紹介した恋人はモナだった。
 サム・ペキンパーが映画化しようとして果たせなかった作品をマーティン・スコセッシが製作に乗り出し映画化した作品。ヒロイックでスタンダードな西部劇だが、懐古趣味に走るのではなく近代化にゆれるカウボーイを描くことで、現代的な人間ドラマとしても見られる作品になっている。

 終わってみれば、英雄ビッグ・ボーイの生涯という感じの話だが、全体的には深みのある人間ドラマで見ごたえがあった。男と男が砂漠で決闘といういわゆる西部劇のイメージとは少しずれるのだけれど、実際はこれがスタンダードな西部劇だと思う。一人のヒーローがいて、それを取り巻く人々のドラマがある。恋愛があり、男と男の戦いがあり、悲劇の死がある。それを澄み切った淡々とした映像で切り取っていくクールな映画。
 まあ、それ以上言うことはなかったのですが、なぜそれほどこの作品に入れ込めなかったかといえば、パトリシア・アークエット(モナ)より、どう見てもペネロペ・クルス(ジョセファ)のほうがかわいいから。どうもピートの気持ちに入り込めなかったせいですね。「何で?ジョセファにすればいいじゃん」と思ってしまう自分が常にいたせいでね。こう考えると、キャスティングってのは映画にとって非常に重要ですね。でも、世の中の人はモナのほうに心惹かれたのだろうか? 

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