Kelid
1987年,イラン,76分
監督:エブヒム・フルゼシュ
脚本:アッバス・キアロスタミ
撮影:モハマド・アラドポシュ
出演:マハナズ・アンサリアン、ファテメ・アサール、アミール・モハマッド・プールハッサン

 ある朝、お母さんはまだ小さいアミール・モハメドと赤ん坊を置いて買い物へ。アミール・モハメドは鳥に水をあげようとするが、水道の栓が固くてひねれない。どうしていいかわからないアミール・モハメドに次々と難題がのしかかる。いったいお母さんはいつになったら帰ってくるの!?
 キアロスタミが脚本した作品らしく、素朴な少年の姿をひたすらとらえる。アミール・モハメドのひたむきな姿は見ていて楽しいが、さすがに物語が単調すぎたか。イラン映画らしいイラン映画であることは確か。
 イラン版「ロッタちゃん」というところ?

 なにかこう、どこかで展開があるのかと思いきや、結局最後まで、淡々と、単調に、ただひたすらアミールの姿を追いつづける。そこには省略もなく、本当に時間の流れどおりに忠実に追いつづける。近所のおばさんや、おばあさんが出てきて、その時には、アミールから視線が離れるのだけれど、結局また戻ってきて、ひたすらアミールの視線。
 なんだかこう、途中まではいいのだけれど、ここまでひたむきにやられてしまうと、すさんだ心の大人にはついて行けない、温かく見守ってもいられない、そんな気がしてきてしまう。もうちょっと展開があってもよかったかな、と思ってしまう。ちょっと、すっきりしない感じです。

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