ブラザーズ・ブルーム
2010/3/15
The Brothers Bloom
2008年,アメリカ,114分
- 監督
- ライアン・ジョンソン
- 脚本
- ライアン・ジョンソン
- 撮影
- スティーヴ・イェドリン
- 音楽
- ネイサン・ジョンソン
- 出演
- レイチェル・ワイズ
- エイドリアン・ブロディ
- マーク・ラファロ
- 菊地凛子
- ロビー・コルトレーン
親を亡くし里親を転々としてたステファンとブルームの兄弟は人を騙して利益を上げ、かつ人を喜ばせることを知った。25年後、伝説的な詐欺師になったふたりだったが、弟のブルームは嘘の人生に飽き飽きして足を洗うことに。しかしその3ヵ月後、莫大な遺産を相続した箱入り娘ペネロペを狙う計画にまんまと引き込まれてしまう…
レイチェル・ワイズ、エイドリアン・ブロディら共演のサスペンス・コメディ。やはり詐欺師ものには当たりが多い。
詐欺師と映画は相性がよく、詐欺師を描いたサスペンスというのはなかなか面白いものが多い。しかし、かといって何でもかんでも面白いかといえばそうでもなく、詐欺師のようにいかに観客を騙すかという工夫に飛んだ作品でなければなかなか本当に「面白い」とは思えないものだ。
この作品はまず冒頭に「詐欺師の物語はもう聞き飽きた」と語り、まずひねりを加える。これも詐欺師の物語ではあるけれど、単なる詐欺師の物語ではないというメッセージを送る。そしてさらに子供のころのエピソードを加えて念入りに背景を組み立て、現在の詐欺師兄弟の登場と相成るわけだ。
そして、実際に詐欺が展開される段になると、いわゆる詐欺師もの定番で、いったい誰が誰を騙しているのか、誰が何を知っているのかという謎を積み重ねて、観客に謎解きを行わせる。基本的な視点はブルームに置かれており、観客はブルームの視点から物語を見るわけだが、どこかでパートナーである兄のスティーブンとの騙しあい/読みあいの様相を呈する。カモであるはずのペネロペ、元の師匠であるダイアモンド・ドッグ、彼らはいったい騙すが側のか騙される側なのか…
そんな正統派の詐欺師ものの面白さは十分に楽しめる。エイドリアン・ブロディ、レイチェル・ワイズ、マーク・ラファロという実力十分の役者達もとてもいい。
そして、そんな中、菊地凛子の存在がかなりいい。設定では英語があまりわからないということだが、実質的にほとんどセリフはない。かといって口が利けないというわけではない。その菊地凛子が演じるバンバンは基本的にコメディ部分の担当で、むっつりとした顔をして面白いことをする。と言ってもおかしなことをするわけではなく、その異質な感じ、周囲とのギャップが笑いを誘うのだ。
というわけで、見てスッキリなエンターテインメント、さまざまな伏線もしっかりと張られ、最後まできちっと作りこまれている。発端は子供のころ、最初の詐欺でブルームが洞窟へと行き、そこで好きになった女の子が差し伸べる手を取れなかったところから。手に取れなかったことで複雑な気持ちを抱いたブルームと、騙しながらも子どもたちを喜ばせ、なおかつお金も稼いで満足したスティーブン、この兄弟の物語は最後に何を紡ぐのか。
最後の最後は個人的にはちょっと納得いかなかったが、まあ理解はできる。
