ぼくとロッタの大逆転
2010/3/11
Svein og Rotta
2006年,ノルウェー,72分
- 監督
- マグヌス・マッテンス
- 原作
- マーリット・ニコライセン
- 脚本
- シヴ・ラヘンドラム
- クリステン・ユルセス
- 撮影
- マリウス・ヨハンセン・ハンセン
- 音楽
- ステイン・ベルギ・スヴェンセン
- 出演
- トマス・サラビー・ヴァトレ
- ルイス・エンゲブリクトセン・バイ
- セリーヌ・ルイーセ・ディラン・スミット
- ベンヤミン・グッリ
- マリアム・ソグン
小学生のスヴェインはペットのネズミのハルヴォルセンと大の仲良しだが、ハルヴォルセンは家中のコードを齧って家族の顰蹙を買い、不潔だと思われてスヴェインも周囲からは変わり者のように見られる。近くペットコンテストがあると知ったスヴェインは転校生のミリアムにも勧められてコンテストにでようと考えるが…
ノルウェーのベストセラー絵本「スヴェインとラット」シリーズの映画化。ノルウェーでは大ヒットし、続編も作られた。
ロッタというのはラットのこと、ネズミ(と言ってもラットだからハムスターっぽい)を飼う少年スヴェインがネズミが嫌われるのはみんながその良さを知らないからだ!と考えて、何とかみんなにネズミのよさをわかってもらおうと奮闘するという話。
しかしそのネズミのハルヴォルセンはコードと見れば齧ってしまい、スヴェインは怒られてばかり。それでもスヴェインはハルヴォルセンを学校に連れて行ったりして、あちこちで騒動を起こす。
これはよくできたファミリー映画というかキッズ向け映画だと思う。ペットに愛着を持つ子供の気持ちもよくわかるし、責任を果たさない子供を叱る親の気持ちもしっかりと描かれている。そして、その親の気持ちを子供は理解できない。それは、親と子の物事の見え方の違いによるもので、それは違って当たり前で、だからこういう話が面白くなるのだ。
キャラクターの作り方がステレオタイプすぎるという気はするけれど、まあ現代社会の実像を描こうとしているわけではないのでこれでいいのだろう。子供の世界にはいつの時代もいじめっ子がいて、いじめられっ子がいて、いろいろな人間関係があって、その中で子供は育っていく。子供はみんな自分勝手で些細なことでけんかをし、すぐ仲直りをし、やさしさと残酷さを併せ持つ。そして、動物は常に子供たちのよい友だちである。
この映画を観ていると、そんなことをふっと思う。たいして面白い話ではないんだけれど、子供たちの姿が微笑ましいというか、うんうんと頷くようなので見ていて気分はいい。
ただ、このネズミをCGで描こうとするそのCGがどうもしっくりこない。もとのネズミはかわいいし、いくら芸達者のネズミであっても微妙なニュアンスはCGで処理しないとでないこともわかる。しかし、CGが使われたとたんどうもグロテスクになってしまってかわいさが減じてしまうように感じる。
CGを使わずに、表現の仕方でネズミの感情のようなものを表現し、さらにスヴェインとハルヴォルセンの絆を描くことができたなら、本当にすばらしい作品になったのではと思う。
それでも、子供と一緒に見るにはいい作品。最後までずっと暖かさを感じさせながらしっかりと物語をつむいでいる。
