ベティの小さな秘密
2010/3/7
Je m'Appelle Elisabeth
2006年,フランス,90分
- 監督
- ジャン=ピエール・アメリス
- 原作
- アンヌ・ヴィアゼムスキー
- 脚本
- ジャン=ピエール・アメリス
- ギョーム・ローラン
- 撮影
- ステファーヌ・フォンテーヌ
- 音楽
- フィリップ・サルド
- 出演
- アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ
- ステファーヌ・フレス
- ヨランド・モロー
- マリア・デ・メディロス
- バリジャマン・ラモン
10歳のベティは精神病院の院長である父親と家族で病院のすぐ隣に暮らしている。大好きな姉が寄宿学校に入ってしまうことになり、両親の仲もなんだか怪しい。ベティは近所の施設の処分されそうな犬のナッツを引き取りたいと父親に言う。そんなベティが病院を逃げ出してきた青年イヴォンに出会う…
思春期にさしかかろうという少女が経験する冒険を描いたドラマ。監督は『デルフィーヌの場合』のジャン=ピエール・アメリス。
主人公のベティのかわいさと、登場人物たちのキャラクターが魅力の物語。ベティは10歳で心優しい女の子、顔にあざのある転校生にもやさしく接する。近所の施設に捉えられ、安楽死させられそうな犬のナッツも引き取りたいと強く願う。しかし、両親はどうも関係が良好ではないようで、彼女の思いはなかなか伝わらない。しかも大好きなおねえちゃんは寄宿学校に入ってしまい会えない日々がやってくる。
彼女の感受性の強さが映画のそこここから伝わってくる。患者の一人で家の手伝いをしているローズに対する態度もそうだし、もちろんイヴォンに対する態度もそうだ。その彼女の感受性が映画にほのかな光を放っているようだ。
ベティはそのイヴォンに恋をしてしまい、それが物語を牽引していくことになるのだが、この感受性の強いベティがどうしてそこまでイヴォンに魅かれるのかということがいまいちよくわからない。自分の世話をしてくれていた姉がいなくなってしまい、今度は自分が世話をする対象になる何かを求めるという思春期らしい欲求がベティにあるのはわかる。だから彼女はナッツを引き取りたいと思い、イヴォンをかくまったのだろう。
しかしそれがどうして恋心にまで発展したのかはよくわからない。恋心に発展することで2人の結びつきがより強まりベティにいろいろな行動を取らせるのだということはわかるし、それがこの物語には必要なのだということもわかる。しかし、その理由が今ひとつわからないので、ベティに心から同意することは難しいのだ。
それより私が興味を引かれたのはローズだ。ローズの背景については父親の話が少しあるだけだが、どうも戦争が原因で精神を病んでしまったらしい。この作品の舞台はおそらく50年代というところ、そのあたりを掘り下げたら(子供向きではなくなってしまうが)もっと興味深い作品になったのではないかと思う。
まあ、すでにこの作品は子供向けとは言い難いのではないか。精神病患者の描写や両親の関係、子供たち同士の関係など子供では理解するのが難しいか誤解しかねない表現が結構出てくる。だから、子供にはちょっと難しいし、大人にはちょっと物足りない、そんな作品になってしまった気がする。
