マッドマックス2
2010/3/6
Mad Max 2
1981年,オーストラリア,96分
- 監督
- ジョージ・ミラー
- 脚本
- テリー・ヘイズ
- ジョージ・ミラー
- ブライアン・ハナント
- 撮影
- ディーン・セムラー
- 音楽
- ブライアン・メイ
- 出演
- メル・ギブソン
- ブルース・スペンス
- ヴァーノン・ウェルズ
- マイケル・プレストン
- ヴァージニア・ヘイ
近未来のオーストラリア、戦争により荒廃し人々は石油を求めて争いを繰り返すようになった。元警官のマックスもガソリンを求めて荒野をさまよう。ひょんなことから自家用ヘリを持つ男を捕まえ、近くに石油を掘っている場所があることを知る…
ヒット作『マッドマックス』の世界観をさらに深め、荒廃した世紀末の世界を見事に表現した。これ以降の近未来SFに多大な影響を与えた。
前作では家族思いの警察官だったマックス、そこでは時代背景が説明されることもなく単なる近未来バイオレンス・アクションという形が取られていたが、今回の作品では超大国による戦争の結果都市が荒廃し、人々は前近代的な生活を強いられるようになったという設定がまず紹介される。そして、暴走族たちはわずかな石油を奪い合い、荒野をさまよっているという設定だ。マックスも一匹狼ではあるがその世界にはまり、ガソリンを求めて荒野をさまようのだ。
そんなマックスが、手作りのような自家用ヘリを持つ男と出会い、さらに石油を掘削している場所のことを知り、その石油を狙う暴走族の一団とかかわりあうことで物語りは転んでいく。
この物語の部分ははっきり言ってどうでもいいし、たいしたものではない。この映画のすごさはやはりその世界観にある。モヒカンの暴走族たち、廃品を組み立てた乗り物や装置、打ち捨てられたさまざまなもの、それらが終末感を醸し出し、なんともいえない迫力がある。
この世界に既視感があるのは、これ以降の映像作品がこの作品の世界観を取り入れて入るからだ。私たちに最も馴染み深いのはやはり「北斗の拳」、マックスが「北斗の拳」の主人公拳四郎のモデルであるのは明らかだ。モヒカンの悪役や女性戦士に加え、あらゆる細部でこの『マッドマックス2』を引用しているといえる。もしかしたら「北斗の拳」を通してこの『マッドマックス2』の世界観が世界へと敷衍していったというのが正しいのかもしれないが、世界中にそれが広がっていったことは間違いない。
そして、もうひとつの魅力は前作と同様のバイオレンスシーンのすごさ。アクションというよりはバイオレンス。残虐だったりグロテスクだったりするシーンはそれほどないのだけれど、人間性を踏みにじるような描写を唐突にはさむことで観客を暴力の前にさらすのだ。
マックスは残虐な暴走族と対峙して、善良な(?)人々とともに戦うので、物語としても受け入れやすいものになっている。もちろん、この世界だから彼らも相当にひどいことをしているわけだが、相手と比べればかわいいものだし、このどちらもひどいことをしているという前提が終末感を煽ってこの世界を実現しているのだ。
この映画が名作といえるかどうかはよくわからない。しかし、作られて30年たって観ても楽しめることは間違いない。ただし暴力に拒否反応を示さない人に限る。この映画とかジョン・カーペンターとかの過剰さというのが、その後20年くらい増幅され続けてさまざまなバイオレンス・アクションを生んだのではないだろうかとも思う。
