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ベストセラー

マッドマックス

憎々しい敵とぶつかり合う、潔いまでのバイオレンスが世紀末。
★★★.5-

2010/3/3
Mad Max
1979年,オーストラリア,94分

監督
ジョージ・ミラー
脚本
ジェームズ・マッカウスランド
ジョージ・ミラー
撮影
デヴィッド・エグビー
音楽
ブライアン・メイ
出演
メル・ギブソン
ジョアンヌ・サミュエル
スティーヴ・ビズレー
ヒュー・キース・バーン
ティム・バーンズ
preview
 近未来のオーストラリア、警官のマックスは暴力を繰り返す暴走族の一人を追い詰めて事故で死なせる。マックスの相棒グースはそれに恨みを抱いた暴走族に瀕死の重傷を負わされ、嫌気がさしたマックスは一線を退くことに。しかし、休暇で出かけた先で彼らに出会ってしまい…
 メル・ギブソンをスターダムに押し上げた伝説的バイオレンス・アクション・シリーズの第1弾。男くささMAX!
review

 さっそく登場するのは憎々しい暴走族、といってもまずは車で暴走、パトカー2台を振り切り、さらにバイクも振り切り、傍若無人に走り続けるが、最初からちらりちらりと登場していた警察のヒーロー・マックスが登場し、追いすがる。そしてその暴走族ナイトライダーは事故を起こし死んでしまう。

 マックスは愛する妻と幼い子どもを持ち、警察の仕事にもあまり熱意がもてないでいる。そんな彼を引き止めるため警察は彼に高性能の車をあてがうが、パートナーが暴走族に復讐されて彼は本格的に警察に背を向ける。

 マッド・マックスなんていうから、主人公のマックスが暴走族たちを狂ったように駆り立てる映画なのかと思いきや、そういうわけではない。マックスはむしろ平静で家族を愛し、怒りに駆られて狂気に走ることなどもない。だから、映画の前半はかなり静かに進んでいく。暴走族たちは悪まで憎々しく、絵に描いたような悪人で、誰もが「こいつらは何とかしなきゃ」と思うような族だ。

 そして、マックスが警察から離れても暴走族たちの足音は常に近くに聞こえ、画面からは不穏な空気、不吉な予感が漂ってくる。その不吉さの演出がこの作品の非常に優れた点だ。全体的に荒廃した世紀末の雰囲気を作ったうえで、悪の手が日常へと忍び寄る不吉さを演出する。「あー、来るぞ来るぞ」と観客に思わせるこの手法が秀逸、わかっていてもついつい緊張してしまう。やはり前半で悪役をしっかりと描いているのがここで聞いてくるのだろう。

 そしてクライマックスはやはりバイオレンス。序盤にもバイオレンスがあり、時にはグロテスクなものも織り交ぜながらちょこちょこと観客に衝撃を与える。まあしかしこれはジャブみたいなもので、やはり一番盛り上がるのはやはり最後の10分だ。この最後の十分はマックスが文字通りマッド・マックスとなり暴走族と対決する。マックスが勝つ結末は予想できるから、これは要するに処刑である。“ヒーロー”マックスがいかに憎々しい暴走族たちをどのように始末していくのかということが物語のすべてになる。

 この潔いともいえるバイオレンスがこの映画を伝説的な作品にした。まことしやかな教訓をたれることもなく、悪役に人間性を与えることもなく、暴力と暴力がぶつかり合い、ヒーローが勝つ。ただそれだけ。冷静に考えればマックスがやっていることは私刑であり、悪人のやっていることとさほど変わるわけではないのだけれど、それは問題ではない。悪を倒すカタルシスがあるわけでもない。しかしこの突き抜けた感覚がすごいのだ。

 そして、1作目を超えたといわれる第2作につづく…

Database参照
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監督順: 
国別・年順: オーストラリア

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