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The Yes Men Fix the World

Yes Menの笑いと正義は本当にすばらしい。こんな人に私はなりたい。
★★★★-

2010/2/15
The Yes Men Fix the World
2009年,フランス=イギリス=アメリカ,87分

監督
アンディ・ビックルバーム
マイク・ボナーノ
脚本
アンディ・ビックルバーム
マイク・ボナーノ
撮影
ラウル・バルセロナ
サラ・プライス
音楽
ニール・ムルガイ
ノワソラ
出演
アンディ・ビックルバーム
マイク・ボナーノ
レジー・ワッツ
preview
 笑いで巨大な権力や大企業をおちょくるユニットイエス・メン、今回はダウ・ケミカルがインドの工場で起こした公害事件の放置に工事するためにダウの幹部に成りすましてTVに出演、被害者への保障を行うというウソの発表をする。あっといまにニュースとして世界に広まり、被害者たちは喜ぶが…
 前作に続いてイエス・メンが笑いで巨大な力をおちょくり、その不正義を暴露する「テロ」活動を記録したシリーズ第2弾。彼らは本当に面白いし、尊敬できる。
review

 前作「THE YES MEN」では巨大国際組織WTOのスポークスマンに成りすまし、その不正義(先進国と大企業の利益のために活動している)を明らかにしたイエス・メン、今回はダウ、ハリバートンなどを相手に、今回も成りすましとおかしな商品で戦いを挑む。

 まず最初は1984年にインドの化学工場で約1800人の被害者を出しながら十分な保障を行わず、汚染も放置しているダウ・ケミカルの幹部に成りすましてBBCに出演、被害者に対して120億ドルの基金を設立すると発表した。このニュースは世界を駆け巡りニュースサイトなどに掲載され、被害者は喜び、ダウの株価は急降下した。

 しかしウソはまもなくばれる。ウソがばれることは彼らは気にしない。しかし彼らは糠喜びした被害者たちが起こっているという報道を目にして心を痛める。そしてその真偽を確かめるためにインドに飛ぶのだ。そこで明らかになったことは、被害者たちは残念がってはいるけれど彼らに対して起こってはいないということだ。それよりも忘れられていた被害者のことを思い出させてくれたことでイエス・メンに感謝しているとも言う。

 この最初のエピソードには3つのポイントがあると思う。一つ目はもちろん成りすましによって明らかにされた大企業の不正、ダウのような国際的な大企業は利益を追求するためにあの手この手で弱者への保障のような支出は避けようとするという事実だ。

 次は市場の反応だ。ウソの基金の設立を発表することでダウの株価が急激に下がる。イエス・メン自身も言うように「いいこと」をすると発表したのに株価が下がるという事実、それはいまの資本主義社会のおかしさ、全体的な不正義を示しているのではないか。

 この作品の根底にあるのはそんな不正義な社会に対する疑問だろう。"Fix the World"というだけあって、今回のテーマは正義であり、不正を正そうというのが彼らの最大の目標である。しかし、それは用意ではない。巨大な資金を持つ彼らを相手に2人で立ち向かえるわけはないのだ。それは彼らもわかっている、わかっているからこそ彼らはその動きを主導するのではなく、最終的には誰かにゆだねる。このエピソードで言えばインドの被害者たちにイエス・メンは世界を彼らの味方につける媒介となるだけなのだ。それはこの作品の後半で登場するハリバートンとカトリーナの被害者たちとの関係にも言える。

 もうひとつはメディアの姿勢だ。イエス・メンをダウの代表者として「正義」を行おうとすると疑いながらも歓迎して迎えるが、それがうそとわかると「被害者の気持ち」を持ち出してきて彼らを批判する。これはよく言えばバランス感覚なのだろうが、別の見方をすれば大企業に迎合しているわけである。大企業に不利な報道を(しかもウソに基づいて)してしまったから、それを埋め合わせるための報道もする。これはメディアもまた大企業を中心とする資本主義構造の一部であることを意味している。

 イエス・メンとメディアの関係は面白い。イエス・メンは常にメディアを使って強大な権力に戦いを挑む。だからメディアは彼らに欠かせない道具でもあるのだ。しかし同時にウソ情報を流す彼らをメディアは疎ましく思っているだろう。しかも、この作品の最後にイエス・メンは偽者のニューヨーク・タイムズを発行してしまう。とはいっても半年後の日付で「こうなったらいいな」というニュースを満載にした新聞を刷って無料で10万部配布するのだ。

 このエピソードもすごく興味深い。これもメディアを利用しはするが半年後の日付にすることで直接的に被害を与えることはしない。しかもその記事の内容は非常にポジティブでむしろ一般の読者に対してはむしろニューヨーク・タイムズのイメージを上げる結果にもなる。しかし、おそらくニューヨークタイムズとしてはそれを受け入れることはできないだろう。なぜならニューヨークタイムズも巨大な企業網の一部をなしているからだ。

 そんなメディアとの関係も含めイエス・メンへの興味は尽きない!早くも次が楽しみだ!

Database参照
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