3時10分、決断のとき
2010/1/10
3:10 To Yuma
2007年,アメリカ,122分
- 監督
- ジェームズ・マンゴールド
- 原作
- エルモア・レナード
- 脚本
- ハルステッド・ウェルズ
- マイケル・ブラント
- デレク・ハース
- 撮影
- フェドン・パパマイケル
- 音楽
- マルコ・ベルトラミ
- 出演
- ラッセル・クロウ
- クリスチャン・ベイル
- ローガン・ラーマン
- ベン・フォスター
- ピーター・フォンダ
- ルーク・ウィルソン
南北戦争で片足を失ったダン・エヴァンスは小さな牧場を経営していたが、借金が元で立ち退きを迫られていた。そんな時、彼の家の近くに名うての強盗ベン・ウェイドが現れる。強盗には成功したが、あっけなくつかまったウェイドは護送されることになり、ダンは200ドルという報酬も合ってその護送に参加することになる…
エルモア・レナードの短編小説を基にした1957年の『決断の3時10分』をリメイク、西部劇としてはかなりいい出来。
横暴な町の顔役にたてつくこともできず、息子のウィリアムに軽蔑の目でさえ見られるダン、そこに早撃ちで有名な強盗のベン・ウェイドが現れ、ウィリアムは彼に魅了されてしまう。ダンはそのベンの護送に参加することになるが、そこで男気と腕を見せる。
さまざまな困難を乗り越えながら護送という役目をこなそうとし、その中でベンとの間にも友情ともつかない関係が芽生えていく。そして息子の信頼を取り戻し、家族のために夢を掴むことができるのか?という話だ。
女は飾り物、男は勝手なロマンを振りかざす。誰もが自分の価値観(思い込み)に基づいて行動し、そのためなら人を殺すこともためらわない。そんな西部劇の論理に立てばこの作品は素晴らしい。男たちのエゴがぶつかり合い、その中で良心や人情といったものの葛藤がある。生きるか死ぬか、食うか食われるかの世界の中でも自分の信念を曲げることなく生き抜く男たち、それを格好いいと思えるなら、この作品の描く世界観にしびれるだろう。
1957年の作品のリメイクということだが、本当に当時の西部劇のままとでも言うべき作品だ。21世紀に作られている以上、その往年の西部劇とは異なる何かが入り込んでくるだろうと思うのが普通だが、この作品はそれを排除する。というよりはおそらく、21世紀の私たちがそう感じるような微妙なアレンジがなされているのだろう。細かくどう違うのかといえるほど西部劇を見ていないのだが、昔の西部劇を見たときに感じる違和感は減じられていると思う。
とはいえ、これはあくまで西部劇、この西部劇的論理という前提を受け入れることがなければ、まったくもって理解できない物語だ。男のロマンというけれど、要は自分勝手なエゴイズムにすぎないし、もっとましなやり方があるんじゃないの?と何度も思う。
そうは思うけど、これはこれでいいんだと思う。いまどきここまで本当に映画らしい映画(現実と隔絶した映画)というのもなかなかないもんだ。なんといってもたいした理由もなくどんどん人が死んでいくっていうのがなかなかない。もちろん人がたくさん死にゃあ面白いってもんじゃないんだけれど、人の命が簡単に奪われる世界、人の命が軽んじられう世界を徹底して描くというのも時には面白いものだ。非日常とまでは言わないが、作り物の世界を旅するというのも映画の楽しみの一つなのだから。
わけがわからないといえばわけがわからないけれど、痛快といえば痛快、西部劇とかアクション者を好きな人は文句なく楽しめるし、そうではない人でもこういう映画も楽しめるといいのではと思う。一見の価値はあり!と言っておこう。ラッセル・クロウも格好いいしね。
