プライド・アンド・グローリー
2009/12/27
Pride and Glory
2008年,アメリカ=ドイツ,130分
- 監督
- ギャヴィン・オコナー
- 原案
- ギャヴィン・オコナー
- グレゴリー・オコナー
- ロバート・ホープス
- 脚本
- ジョー・カーナハン
- ギャヴィン・オコナー
- 撮影
- デクラン・クリン
- 音楽
- マーク・アイシャム
- 出演
- エドワード・ノートン
- コリン・ファレル
- ジョン・ヴォイト
- ノア・エメリッヒ
NYPD31分署の所長フランシス・ティエニーの家族は警察一家、警察のアメフトの試合中に部下の警察官4人が殺される事件が置き、特別捜査班が結成されることに。しばらく現場から遠ざかっていた弟のレイがその班に入ることになり、近所の子供から重要な証言を得る。一方、妹の夫であるジミー・イーガンは仲間とともに怪しげな動きをはじめる…
警察の汚職に翻弄される警察一家を描いた暗く重いハードボイルド・サスペンス。
兄の部下の警察官4人が殺された事件を追うレイは数年ぶりの現場復帰となる。彼が現場を離れたきっかけは数年前のある事件、その事件がどのようなものであったのかは徐々に明らかになる。そして、レイは事件の核心に近づいていくのだが、同時に彼の義理の弟ジミーがその事件に深くかかわっていることを示唆するプロットも展開される。ジミーはその殺人事件の犯人を殺して金を奪うために4人を派遣したのだという。そして彼の悪事はそれにとどまらず…
話のほうはとにかく暗い。数年前の事件によってレイは妻と近々離婚することになっているし、兄で31分署長のフランシスの妻は事件とは関係ないが重い病気で死期が近い。LAPDの部長である父も酒が手放せなくなっている。
そして明らかになっていくのはジミーとその仲間の非道ぶり。ただヤクの売人とつるんでいるというだけでなく、彼とその仲間は証拠隠滅から脅迫、強盗、殺人まで犯すという非道ぶり。その行動は本当に“ひどい”の一言に尽きる。警察官として以前人間として本当に極悪なのが彼らだ。
しかしそんな彼らも警察官、警察として彼らをどうするのかということが、その警察という組織とともに生きてきたティエリー家に重くのしかかる。
この映画は犯人探しのサスペンスもなければ、登場人物の心の葛藤が描かれているわけでもない。だから謎解きとしての面白さとかスリルというものはないし、人間の心理を描いた深みがあるわけでもない。しかしそれなりに観れるのは、事実を積み重ねることによってそこにある現実の冷たさが浮き上がってくるからだろう。
ここに登場する誰もが不満や怒りを抱え、いったいそれにどう対処していいのかと途方にくれたり、開き直ったり、迷ったりしている。現実とはかくも冷たいもので、人々は常に何らかの不満に対処していかなければならない。まあ、わざわざ映画にそのことを思い出させてもらわなくってもいいという気もするが、そのような現実が描かれていることでこの作品は観るものをひきつけることができるのだろう。
しかし、観終わって「面白かった」という感想を漏らすことはできない。最後まで見てしまいはするが、苦痛にも近いつらさを感じもする。こういうのもありだし、エドワード・ノートンはなかなかいいわけだが、万人に勧めることはできない映画だ。
