バンク・ジョブ
2009/12/19
The Bank Job
2008年,イギリス,110分
- 監督
- ロジャー・ドナルドソン
- 脚本
- ディック・クレメント
- イアン・ラ・フレネ
- 撮影
- マイケル・コールター
- 音楽
- J・ピーター・ロビンソン
- 出演
- ジェイソン・ステイサム
- サフロン・バロウズ
- リチャード・リンターン
- スティーヴン・キャンベル・ムーア
- ダニエル・メイズ
1971年ロンドン、中古車屋を営むテリー・レザーは借金に悩まされていた。そこに幼馴染のマルティーヌが現れ、銀行強盗の話を持ちかける。金が必要なテリーはそれに載るが、実はマルティーヌは諜報機関の差し金で、諜報機関が頭を悩ませているマイケルXの持つ“秘密の写真”を奪うのが本当の目的だった…
イギリスで実際に起きた事件をモチーフにしたクライム・サスペンス。犯人達や捜査機関などさまざまな利害が入り組み複雑な展開を見せるストーリーが魅力的。
素人に毛の生えた程度の小悪人達がうまく乗せられて、MI-5だかMI-6だかの諜報機関主導の銀行強盗計画の実行犯になってしまう。その計画は見事に成功し、彼らは大金と諜報機関の目的である写真を手にするのだが、実行犯のリーダーであるテリーはその写真こそが話を持ちかけてきたマルティーヌの狙いであることを見抜く。さらには他にも公にされると困る写真は帳簿なども盗まれた中に含まれており、彼らはさまざまな方面から脅迫を受けることになる。
実行犯を中心に盗まれた品に利害関係のある諜報機関、警察、ストリップクラブ経営者、国会議員などなどが複雑に絡み合い、仲間の一人が誘拐されたり、襲われたり、さまざまな危機が彼らを襲う。テリーがそれをどうさばきうまく乗り切るのか… さらにはテリーとマルティーヌの関係も絡んできて…
観客はすべてを見通せる立場におかれるが、すべてはテリーの立場からどう見えるかという観点から組み立てられている。したがって自然とテリーに感情移入するように仕向けられる。このテリーがなかなか魅力的な人物なので、それでたいがいの人は気持ちよく映画を見ることができるだろうし、スピード感があるので瑣末なことに煩わされずに物語に入り込むことができるだろう。
ただ、この物語は男に都合がいいように組み立てられているのでそういうマッチョな考えが生理的に受け付けられないという人には「ちょっとなー」という映画なのかもしれないとも思う。
これは基本、事実に基づいているということだが、別にそれはどうでもいい。普通は実際にあった事件が元になっていることで説得力が増したり、へーと感心したりするものだが、この映画に関してはこれがまったくの作り物であっても面白く観られると思う。まあ実際のところすべてが明らかになっているわけではないだろうから、ある程度は想像が入り込んでいるわけで、素材もよかったのだろうけれど、空白を想像で埋めるそのやり方がうまかったんだろうなぁと思う。
本当に完全にエンターテインメントの痛快クライム・サスペンス。観終わっても何も残らないけれど、こういう作品はストレス解消になる。複雑なプロットを持つサスペンスっていうのは疲れそうだけど、実はそうではない。その展開を整理してその先を読むのに頭がいっぱいになって、ほかの事を考えられなくなることで、普段の志向がリセットされるようにすっきりする。
頭を悩ませることが多くて疲れてしまったら、こんな映画を見るのがいい。
