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バンドゥビ

女子高生が外国人と出会うことで見えてくる社会の歪みをパンクに描く!
★★★.5-

2009/11/30
Bandhobi
2009年,韓国,107分

監督
シン・ドンイル
脚本
イ・チャンウォン
シン・ドンイル
撮影
パク・チョンチョル
音楽
キム・ジョングン
出演
マブブ・アロム
ペク・チニ
イ・イルファ
パク・ヒョックォン
preview
 高校生のミンソは夏休みの塾に通うお金もなく、バスで拾ったバングラデシュ人のカリムの財布をネコババしようとする。そのときはそのまま別れたが、後日二人は再会、ミンソはカリムの願いを聞いて賃金を払ってくれない社長の家を訪ねることにする。一方でミンソは母親が恋人に夢中なこともあり、怪しいバイトに手を出そうとする…
 韓国でも社会問題化しつつある移民問題を描いた社会派青春映画。直球だがしっかり作られている良作。
review

 移民の問題というのは洋の東西を問わず、経済発展を遂げた国ならどこでも抱える問題となる。アメリカでも、ヨーロッパでも、日本でも、そして韓国でも。この作品が描くのは韓国における移民の問題だ。主人公はバングラデシュから出稼ぎにやってきたカリム、ちゃんと労働許可を取って働いていたが、前に勤めていた会社がつぶれ、そのときの給料を払ってもらえていない。故郷の妻や家族への仕送りのため社長に直談判しようとするがなしのつぶてである。

 一方、高校生のミンソもお金に不自由している。夏休みに塾に行きたいのだが、母一人子一人の家庭でその余裕はない。そしてその母親は一生懸命働く一方で恋人を作り、人生を謳歌しようとしていた。ミンソはそれが気に入らないのか反抗的な態度を取り、バスでたまたま拾ったカリムの財布をネコババしようとする。

 この偶然がふたりを引き寄せ、物語がつむがれ始める。

 この作品に含まれている問題は、まずは外国人労働者の問題、カリムに対する世間の視線は冷たく、ミンソの母の恋人もふたりが一緒にいるのを見て「何をされるかわからない」などという。ふたりで電車に乗っているときの周囲の視線もとても冷たい。カリムの労働環境も決していいとはいえないし、ビザが切れればすぐに不法滞在になってしまう身だ。自国の労働者のとの関係は難しい問題ではあるが、外国人であるからと言って拒絶するのではなく、まず相手を「同じ人間」として受け容れて、その上で考える。その姿勢こそが必要なのだとこの作品は考えさせてくれる。

 もうひとつテーマになっているのは、ミンソと母親との関係だ。察するにミンソはずっと母子家庭で母親とふたりで暮してきた。そこに母の恋人という闖入者が現れたことに彼女は戸惑い、同時に母の“女”としての側面に嫌悪感を示してもいる。

 ミンソはそんな体験をする中で、まずいろいろなことに反発を覚える。まあこの年代にありがちといえばありがちなのだが、彼女のその反発は激しく、しかも経験を重ねていくことでそこに一本芯が通っていく。それはカリムに加えて英会話学校の教師と知り合うことでものの見方がぎゅっと絞られていく感じだ。

 思うに彼女の行動はすごく“パンク”なのだ。別にパンクファッションをしているわけでも、パンクミュージックを聴いているわけでもないのだが、反骨精神を持って社会に向かい、時には破壊衝動を爆発させるという姿勢がパンクなのだ。

 結果的にそれで何かが変わるというわけではないけれど、その姿勢は見ていて気持ちいい。そういう生き方をするのは難しいしつらいことなのだけれど、それでもそれを乗り越えてぶつかろうという姿勢が好ましい。

 この作品は表現がありきたりであったり、構成上ちょっとどうかなと思う部分はあるが、基本的なところではすごく同意できる内容になっている。こういうパンクな映画を見ると気持ちがいいし、熟練してもっと深みのある映画を作るようになってくれればいいと思う。

Database参照
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国別・年順: 韓国

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