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昼から呑む

次々不幸に見舞われる男を描いた超低予算コメディ映画。
★★.5--

2009/11/28
Naj Sul
2008年,韓国,116分

監督
ノ・ユンソク
脚本
ノ・ユンソク
撮影
ノ・ユンソク
音楽
ノ・ユンソク
出演
ソン・サムドン
ユク・サニョプ
タク・ソンジュン
preview
 恋人と別れたばかりのヒュクジンは友達に誘われて渋々チョンソンへの旅行に同意する。翌日チョンソンに到着したヒュクジンだったが友達は結局現れず一人で過ごすことに。市場の食堂で昼から酒を飲み、やることもなくなったので友達の先輩のペンションを訪れることにするが、その主人がえらくぶっきらぼうで途方にくれるばかりだった…
 ノ・ユンソクが監督・脚本・撮影・音楽を務めたインディーズ系巻き込まれがたブラック・コメディ。
review

 主人公のヒュクジンは知らない場所で友達も来ず、頼みのペンションの主人も無愛想で、何もすることがなく、近くの売店で買った酒を飲み、カップラーメンを食うしかない。翌日になっても彼は退屈で、やれることといったら酒を飲むことぐらい。そして酒を飲むたびに不幸に見舞われどんどんドツボにはまっていく。

 こういう巻き込まれ型コメディというのはよくあるけれど、この作品はそこに酒が絡んでくるというところが特徴だろうか。といっても主人公のヒュクジンは酒癖が悪いわけでもなく、酒に弱いわけでもなく、むしろ酒には強いし呑むと機嫌がよくなるタイプ。しかし、それで調子に乗った末に不幸のスパイラルに陥っていくというパターン。

 まあそれを見てクスリと笑ったりニヤリとしたりというコメディ映画なわけだ。まあそんなに面白いわけでもないけど、つまらないわけでもない、平均点のコメディという感じ。

 ただこの映画、実は100万円ほどの低予算で作られた映画らしい。その予算から考えると非常によくできた映画だ。日本で、同じように不幸のスパイラルを描いた若手監督の映画といって思い出すのは矢口史靖監督の『ひみつの花園』だ。これは本当に素晴らしい映画だったが、安っぽいつくり(いい意味で)のこの映画でさえ製作にはには5000万ほどかかったという。

 それを考えるとこの映画の低予算ぶりはすごい。考えてみればほとんどがロケだし出ている役者も少ないし、小道具も必要なければ特殊メイクもCGも必要がないわけで、しかも監督が自分で撮影して音楽も入れているのだからお金がかかる要素はない。行ってしまえばほぼ自主制作映画だということだ。それで劇場公開するに足る質の作品を作ったというのはやはりすごい。

 脚本もまあよかったのだろうが、演出と構成が優れているのだろう。特に構成はおもしろい。素直に時間の流れどおりにつないでいるのだけれど、主人公の記憶にあわせて時間が飛んだりするし、室内では隠し撮り風になるというのも面白い。

 監督はこれがデビュー作(まあ当たり前だろうが)という若い監督、これからにはなかなか期待できるかもしれない。

Database参照
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