いとしい人
2009/10/2
Then She Found Me
2007年,アメリカ,100分
- 監督
- ヘレン・ハント
- 原作
- エリノア・リプマン
- 脚本
- アリス・アーレン
- ヴィクター・レヴィン
- ヘレン・ハント
- 撮影
- ピーター・ドナヒュー
- 音楽
- デヴィッド・マンスフィールド
- 出演
- ヘレン・ハント
- ベット・ミドラー
- コリン・ファース
- マシュー・ブロデリック
- ベン・シェンクマン
40を間近に結婚した小学校教師のエイプリルは子供が欲しいがなかなか出来ず、それが原因で夫のベンに別れ話を切り出される。さらに養母の訃報も重なって悲しみに沈むエイプリルのもとに実の母親だとテレビタレントのバーニスが名乗り出てくる。さらに生徒の父フランクが気になって…
女優ヘレン・ハント初監督作品。40歳を目前にした女性のリアルな日常を描く。
40歳を目前にしたエイプリルの一番の望みは自分の子供を持つこと。徐々に明らかにされるのだが、彼女自身が養子のため自分自身の子供が欲しいのだ。それであせっている。なのに夫に逃げられ、養母は泣くなり、実の母親が現れたりしてさらにバタバタしてしまう。
テーマというかモチーフが言わんとしていることはわかるし、エイプリルが年齢を聞かれて「39歳半」と答えるところなんてのは秀逸なセリフだと思うのだが、そうも全体的にまとまりがないように思える。プロットとしては「子供が欲しい」というのを中心としてそこに「実の母親が現れた」というのと「生徒の父親と新たな出会い」というのが組み合わさっているわけだが、そのつながりが今ひとつ見えてこない。特に実の母親と出会うというプロットがほかとうまく絡んでおらず、結果的に焦点がぼけてしまったような印象がある。「養子だ」という要素は重要だけれど、果たして実の母が登場する必要があったのかは疑問だ。そんなにてんこ盛りにしなくても十分物語として成立しただろうし、そのほうが入り込みやすいものになったように思う。
そんな中、エイプリルに「子供のまま」と評されるマシュー・ブロデリック演じるダメ夫のダメっぷりが個人的にはツボ。登場シーンは少ないのだが、一番印象に残った。主人公の視点からすると、「こんな男…」ということになるのだろうけれど、こういう脇役あっての映画であり、このダメ夫を通してエイプリルのダメっぷりも際だって来る。
作品全体としては散漫な印象はあるが、個々の要素には面白みがあると思う。という感じの作品。
ただ、アラフォーの女性が見たらどうなんだろうなんてことを思う。自分に重ね合わせてリアリティを感じることが出来るのか、それとも彼女の生き方に反発するのか。彼女の抱える煩悶や衝動というのが私にはどうも理解しがたいのだが、同年代の女性なら共感できるのかというところは気になる。
映画の中には特定の世代、特定の民族、特定の性別には熱狂的に迎えられるが、他からは理解されないという作品が時々出てくる。そういう作品というのはなかなか難しい。もしかしたら自分の立場が変わってみたらがらりと印象が変わるのかもしれない。そんなことを思うからだ。
この作品は果たしてどうなのか?とりあえず日本ではあまり反響がないようなので、日本人の琴線にはあまり触れなかったようですね。
