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ベストセラー

ツイステッド

★★---

2008/4/24
Twisted
2004年,アメリカ,97分

監督
フィリップ・カウフマン
脚本
サラ・ソープ
撮影
ピーター・デミング
音楽
マーク・アイシャム
出演
アシュレイ・ジャッド
サミュエル・L・ジャクソン
アンディ・ガルシア
デヴィッド・ストラザーン
preview
 幼い頃に両親を亡くし、父親の元相棒ミルズ捜査官に育てられたジェシカはサンフランシスコ市警殺人課初の女性捜査官となった。捜査官になって早々、殺人事件がおきる。その被害者はなんとジェシカが一夜の関係を持った男だった…
  アシュレイ・ジャッド主演、フィリップ・カウフマン監督のクライム・サスペンス。可もなく不可もなく、平凡な作品。
review

 このサスペンスの肝は、殺人事件の起こった時間に酒で酔いつぶれて記憶のないジェシカが自分が犯人ではないかと疑心暗鬼になっていくという点。優秀な捜査官でありながら、夜は酒を飲まなければいられず、バーで男を引っ掛けては男と一夜限りの関係を持つジェシカは、父親が人を殺したいという衝動に耐え切れず母を殺し自分も自殺したという話を聞き、自分にもそのような要素があるのではないかと恐れる。
  一人の女性の心理を描きながら、犯人はいったい誰なのかというサスペンスで観客を引っ張って以降という魂胆だったのだろうが、肝心のサスペンスのほうは、これだけジェシカが犯人かもしれないという組み立てになっていると、彼女が犯人ではないことは明らかで、となると最後にどんでん返しがあるということなので、真犯人は容易に推理出来てしまう。しかも、思っても見ない人物が犯人だという組み立てにこだわるあまり、肝心の動機の部分があいまいで解決しても今ひとつ納得が出来ない。『ツイステッド』という題名だが、ひねりすぎた結果まったくひねりのないしかも納得できない結末になってしまったというのがなんとも皮肉だ。
  まあしかし、アシュレイ・ジャッドが自分が犯人ではないかと疑心暗鬼になって追い込まれていく部分はそれなりに見れる。幼い頃に両親が死に、捜査官としての英才教育を受けたという設定、それはトラウマを抱えると同時にそれを見せないように装う能力をも身につけているということを意味する。もう少し登場人物を増やし、連続殺人の態様にも変化をもたせれば結構面白い作品になったのではないかという気がする。ジェシカの怪しげな元恋人はなかなかいい存在で、あういう脇役がもう何人かいればよかったのに、なんだかもったいないような気がする。
  アシュレイ・ジャッドは今ひとつ目立たないというか、スターという感じはしない女優だが、こういうサスペンス形の映画には向いているんですね。まあ、そんな作品に出ることも多いようだし。やり手という感じではないが、強さと弱さを併せ持つキャラクターというのは向いているような気がする。
  監督のフィリップ・カウフマンは『存在の耐えられない軽さ』以外はぱっとした作品もなく、この『ツイステッド』以来監督もしていないようだ。次回作は決まっているらしいけれど、ちょっとね…

 まあ、いうなればテレビ東京の昼間にやっていそうな映画という感じ。見所はありません、せいぜいひまつぶし。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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