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ベストセラー

黒いジャガー

★★★.5-

2008/2/22
Shaft
1971年,アメリカ,101分

監督
ゴードン・パークス
原作
アーネスト・タイディマン
脚本
アーネスト・タイディマン
ジョン・D・F・ブラック
撮影
アース・ファーラー
音楽
アイザック・ヘイズ
出演
リチャード・ラウンドトゥリー
モーゼス・ガン
チャールズ・シオッフィ
クリストファー・セント・ジョン
preview
 黒人の私立探偵ジョン・シャフトは自分を探す2人組がいると聞く。その2人組に出会うと格闘の末、ひとりが窓から落ちて死んでしまう。なじみの刑事に協力を求められた彼はそれを突っぱねるが、話に出たギャングの親玉バンビーと連絡を取る…
  白人と対等に渡り合う黒人探偵シャフトが黒人の観客に受け大ヒットしたブラック・ムービーで続編も作られた。なんといってもアイザック・ヘイズによる音楽が格好いい。
review

 スパイク・リーなり何なりのブラック・ムービーを見ていると必ず名前が出てくるのがこの『黒いジャガー』である。この映画は黒人にとってはひとつの金字塔であり、ここからブラック・ムービーの歴史が始まったといっても過言ではないのだ。それは、ハリウッドというのが長らく白人によって支配され、黒人は脇役(しかも多くの場合敵役か召使)に押しやられてきたからであり、黒人が主人公の映画など皆無に等しかったからだ。
  しかし、歴史は変わった。それはハリウッドが観客としての黒人をマーケットと認めたということが最大の理由ではあるが、それでも黒人がハリウッドを動かせるようになったということだ。もう1本の伝説的なブラックムービー『スウィート・スウィートバック』も71年の作品だから、1971年はまさにブラック・ムービー元年だったのだ。今からは想像も出来ないが、71年なんていうのはまだまだそういう時代だったということだ。

 いまこの作品を見ると、これは非常にオーソドックスな探偵ものに写る。主人公のシャフトは確かに格好いい。強固な意志を持ち、脅しに決して屈せず、正直である。その彼が黒人のギャングのボスに頼まれて誘拐された彼の娘を探す。彼はそれを警察に告げることはせず、しかし警察ともうまくやっている。決してスーパーマンではなく、失敗したりやられたりもするのだが、意志の強さとスマートさで解決に向けてまっすぐに進んでいくのだ。なんでも暴力に訴えるのではなく、頭を使ってスマートに解決するというところが、非常によかったと思う。派手なアクションで敵をなぎ倒していったほうがエンターテインメントとしては楽しいのかもしれないが、黒人という弱い立場の彼が探偵として成功していくには何よりもまずスマートだが必要だった。そのことが観客である黒人たちの共感を得たのではないかと思うのだ。
  そして、警察の側で彼の相棒になる白人の刑事の存在も大きい。彼がいるおかげでシャフトは探偵としてやっていけるわけだし、映画としてもこのような理解のある白人を登場させることで白人観客の反感を抑えることが出来るし、白人と黒人の理想の関係を描くことが出来るのだ。この黒人と白人の相棒関係というのは脈々と受け継がれて、いろいろと面白い作品を生み出しているのではないかと思う。たとえば『ビバリーヒルズ・コップ』なんかもその系譜にある作品のひとつだろう。
  この『シャフト』はブラックムービーの歴史に名を残す作品だが、同時にハリウッドの刑事ものの歴史にも大きな影響を与えた作品なのではないだろうか。ブラックムービーといいながら、思想的な面で特にメッセージを打ち出しているわけではないし、今から見れば黒人文化/社会に対する影響より映画界に対する影響のほうが強かったのではないかという気がする。もちろんこの作品によってブラック・ムービーが数多く作られるようになり、間接的には黒人文化に影響を与えているわけだけれど、直接的にはこれは目新しい娯楽映画という意味のほうが大きかったのだと思う。

 だからこそ今見ても十分に面白い。まったく説教臭くなく、時代背景を知らなくても見ることが出来るし、なんといってもこの時代のファンクな音楽が格好いい。レトロな格好よさを持つ探偵もの、単純にそう考えてみてもいいだろうし、そこからブラックムービーへの興味が起きたりもするだろう。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ60~80年代

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