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“オペレッタ映画”とはオペレッタと映画の組み合わさったもの。オペレッタは歌劇の一種で、セリフと踊りがあるオーケストラ付きの歌劇のこと。オペラの中でも軽妙な娯楽作品をさし、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」、オッフェンバッハの「天国と地獄」などがこれにあたるらしい。オペレッタ映画はこれを映画に当てはめたもので、音楽と踊りをふんだんに盛り込んだ喜劇映画ということになる。これはもちろんトーキーの誕生によって初めて可能になった映画の形態であり、トーキーが入ってきてすぐにドイツで誕生し、日本にも輸入されて評判となった。
このオペレッタ映画はミュージカル映画の起源と考えられることもあるが、確かにミュージカル映画と共通の根を持っているとは考えられる。それは何よりもセリフではなく歌と踊りによって物語を展開させるやり方であり、そのミュージカルシーンによって観客を魅了するという特徴である。
だから、ミュージカル映画というジャンルが好きならばこのオペレッタ映画というジャンルの作品も興味深く見ることが出来るのだろう。しかしどうもミュージカル映画という形態が苦手な私はこのオペレッタ映画も今ひとつ楽しめない。トーキー初期にこれだけの迫力のあるミュージカルシーンを撮ったことは確かに驚嘆に値するが、それは歴史的な評価に過ぎない。
今、一本の映画としてこの作品を見ると、魅力を感じるのは皇帝アレクサンダーが影武者を使うというアイデアと、ところどころのショットくらいだ。印象に残っているのはクリステルが馬車に乗り街を走る長回しのシーンだったり、クリステルの下に駆け寄るアレクサンダーの表情だったりするが、これもまた歴史を踏まえての、驚きであり、純粋な映画的快楽がそこからあふれ出ているという感じではない。
ミュージカルという映画の一大ジャンルについて考えると、この作品の持つ意味は大きいのかもしれないが、時代を超えた傑作というよりは、映画の歴史というものを意識させ、映画の変遷と社会の変化を意識させるような作品だ。
ミュージカル映画や映画の歴史に興味がある人は見て損はないと思うが、古典的な名作を見たいという欲求を満たされることはないだろう。
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