| 主役のコービン・バーンセンは『メジャー・リーグ』で少々人気が出ていたが、まあそれほどの役者ではなく、もちろん今でもマイナーな作品に出演し続けている。相手役のシェリー・ロングのほうは女性のコメディ役者としては古株だが看板を張るほどの役者でもない。監督のジミー・ミラーはといえば、日本で公開された映画といえば『ネバーエンディング・ストーリー第2章』くらいである。
そんな出演者や監督からも、ハリウッドのスタジオの片隅でひっそりと撮られたコメディ映画であるということは簡単に想像できる。このような作品はハリウッドにはそれこそ無数にあり、その大半は日本に入ってこない。まあ、入ってきても観客の目を引く要素がないためにヒットすることはまずない。
だが、そんな映画の中には案外面白いものが多い。大物スターを起用した作品よりも俳優のイメージがついていないこういった作品のほうが自由に作品を構成できるし、くだらないこともいろいろできるからだ。そういうわけでこの作品もなかなか面白い。まあ展開は大体読めるし、精子バンクや体外受精に対する考え方が古臭いという難点はあるが、登場するキャラクターはなかなか面白いし、「精子の数コンテスト」だとかいろいろと思いもよらないアイデアが出てくるのがいい。最後のどんでん返しというか、“オチ”もなかなか面白く、ニュートンを演じたラリー・ミラーにはなかなかいい役立ったのではないかと思う。
ついでにこのラリー・ミラーはというと、マイナーなコメディ役者でまあまあマイナーな作品に主役級で出たり、まあまあメジャーな作品(『ナッティ・プロフェッサー』など)に脇役で出たりしている。ちなみに今年公開されたロバート・ダウニー・Jr主演のアクション・コメディ『キスキス,バンバン』でコービン・バーンセンと再び共演している。
まあ、コメディ映画のマニアでもなければ「へぇー」とも思わない情報だが、脈々と続くハリウッドのコメディ映画の流れを下から支えるマイナーなコメディ役者たちの姿が見えるようでなんだか楽しい。ハリウッドというところは基本的にスター中心に動いているわけだが、実は数多くの堅実な脇役たちこそがハリウッドの財産なのである。この映画はそんな脇役たちが映画の中心で力を発揮した作品として気楽にしかしじっくりと楽しみたいものである。
こういういわゆる佳作には偶然以外で出会う方法はないのだが、こういう作品に出会うためにも、つまらなそうな作品でもしつこく見て行くべきなんだなぁ… などとも思ったりした。皆さんは私の感想を参考にそんな佳作を発見してください。
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