| この映画、最初はとてもおもしろい。オープニングの映像とサウンドもかっこよく、いったい“ドミノ”とは何者か、そんな好奇心がふつふつと沸いてくる。そして取り調べのシーンの後、いきなりインパクトの強いシーンが続く。それは、息子の腕を切り取って母親に金のありかを吐かせようとするシーン、そのひとつのシーンには迫力があり、彼らがどのような人間かもわかるし、彼ら(3人のバウンティ・ハンター)がいかに親密であるかも伝わってくる非常によいシーンだ。
そして、その後のドミノがなぜ、どのようにバウンティ・ハンターになったのかというプロットも興味をそそる。ここでドミノは完全にヒロインとして登場し、他を寄せ付けない魅力を放つようになる。なぜなったのかという部分はうまく伝えられていないような気もするが、どのようになったのかという部分は非常におもしろく描かれている。男勝りでありながら、女の武器も自覚し、それを使うこともためらわない。それは確かに格好いい。
ただ、ここで彼女の動機の部分がうまく描かれていないのは痛い。この描き方だとただ金持ち連中の遊びに付き合いきれない天の邪鬼な娘が刺激を求めて飛び込んだというだけに写ってしまう。
そして、これがこの映画がこの序盤の展開以降右肩下がりにつまらなくなっていく大きな原因の一つである。この映画の主プロットはもちろん1000万円強奪事件の全容を明らかにするということであるが、それだけでは2時間の映画を支えるには弱い。そこでドミノの心理をもうひとつのプロットとして観客を引き込んで行くことが必要になるのだが、この部分が決定的にかけているのだ。
最初に彼女の動機の描き方が不十分であるためにその後の彼女の行動はどれを取っても観客の共感を集めない。彼女の恋愛の駆け引きも、命がけの行動も実感として体験することができないのだ。これがこの映画が映像的には(最後まで)格好よく、アクション映画としての迫力もあるにもかかわらずどうも退屈な理由だと思う。最後のクライマックスシーンもドミノの仲間に対する感情を共有できないがゆえに盛り上がらないのだ。
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