| この映画は評判があまりよくない。評判が悪い理由は色々あるが、前作のファンにしてみれば、まずヴィン・ディーゼルがスターになってしまい、前作のようなB級テイストがなくなってしまったことがある。前作ではひとりひとりのキャラがたち、いったい誰がの生き残るのかというハラハラ感があった。しかし、この作品は完全にヴィン・ディーゼルというスターに作品であり、有象無象のSFアクションと何の違いがないものになってしまった。
そして、前作を見ていない人にしてみれば、なんてことはないSF作品という以上の感想はないだろう。突然登場するネクロモンガーやらなにやらの宇宙人だかなんだかもわけがわからないし、結局リディックの目的がなんなのかもわからない。 しかし、私はなんとなくこの作品が好きだ。たぶんそれはこの作品が描く世界というのが非常に暗いからかもしれない。『マトリックス』後、SFアクション映画に暗さが入り込むようにはなったが、やはりスターを戴くアクション映画にはスターの輝きがあり、どこかに爽快感のようなものがある。
この作品もヴィン・ディーゼルがスターにはなったが、しかし基本的に暗い映画なのである。ヴィン・ディーゼルは常に自ら進んで暗い世界に入り込む。この作品に登場する刑務所がその代表的なものだが、そのくらい世界にこそ彼の存在意義があるのだ。
それはもちろん、彼が暗いところでものを見ることができるという特徴に由来している。この作品ではゴーグルをしょっちゅうつけたりはずしたりして(本来ゴーグルをしていなければいけないはずの明るいところでもたびたびゴーグルを外す)、そのゴーグルに意味があるのかどうかわからなくなってしまっているものの、それでも彼の居場所は明るい場所なのだ(彼がたびたびゴーグルを外すのは、スターになったヴィン・ディーゼルが素顔を見せている時間を契約に盛り込んだことが理由らしい)。
そして、彼らが夜明けから逃げるという設定もその暗さを象徴している。前作でも暗闇の中を逃げ回ったわけだが、今回も夜明けの壮絶な明かりから逃げ回る部分がクライマックスになっている。
この暗さがなんとなく私は好きだ。 |