| イライジャ・ウッドは『ロード・オブ・ザ・リング』のイメージがついてしまったが、それでも違和感なくほかの役も演じられることがこれでわかった。
17歳の少年が大人のお姉さん方に… という内容だから『17歳 〜体験白書〜』なんていう中途半端なR指定映画みたいな邦題がついてしまったわけだが、この題名はかなり損ではないかと思う。映画としては17歳という微妙な年齢にある少年の内面をしっかりと捉えた映画であり、エロを題材としたものではない。もちろん17歳の少年にとってセックスは重要な問題ではあるけれど、それだけが問題ではないし、むしろセックスも含めた人と人とのつながり、恋人、家族、友人との関係を通して人間として成長して行くというまっとうな青春物語であるのだ。
しかし、まあちょっとできすぎた話ではある。まずこのジョーンズは金持ちだし、17歳にしては精神的には老成しすぎている。古ぼけたトランクと旧式のタイプライターが象徴しているように彼は決して現代に生きる若者ではない。親の世代の記憶を引きずった古い人間なのである。そんな人間だから同年代の若者とテンションがあうはずもなく、必然的に年齢が上の人々と付き合うことになるわけだ。
これは、大人から見ると好ましい物語ではあると思うが、とうの若者から見たらどうだろうか、このジョーンズはやはり根暗なつまらない奴と映ってしまうのではないか。彼は若者の多くではなく、若者の一部からしか共感を得ることはできないのではないかと思う。
もちろん、若者の映画だからといって若者に向けられていなければならないというわけではない。しかし、この映画のようなノスタルジーと大人に都合のよい若者解釈に満ちた映画は毒にもクスリにもならない。この物語の中でジョーンズは対話によって世代間のギャップを乗り越え、親とも和解したことになっているが、それは彼がそもそも親たちと同じ価値観を持っていたからだ。この物語が描く和解はあくまでもまやかしであり、表面的なものでしかない。
この映画がおもしろくはあるが、どこか上滑りしているような気がするのは、その核心の部分にはまったく触れようとしないからだ。つまり、結局これは若者を主人公とした大人向けのお伽噺であり、現実の何かを描くものではない。もちろん、そのような映画もおもしろく見られるが、外見は何か考えさせるような見た目をしているだけに、だまされてしまいそうな気もして、そこが少し気持ち悪いという気がする。
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