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宇宙にバイパスを作るために地球が破壊されるという設定もかなり適当だが、友人が偶然に宇宙人で「銀河ヒッチハイクガイド」のライターだというのもかなり適当である。これはSFのような体裁をしているがまったくSFではなく、SFの顔をしたコメディである。
そして、そのコメディの根底にはイギリスらしいウィットやペーソスというものがある。アメリカ的な能天気なコメディではなく、イギリスと官僚主義というものを槍玉に挙げて、それを徹底的に皮肉り、風刺していく。そして、ほとんどそれだけといっていい。
この映画は結局、アーサーとその一行(フォード、ゼイフォード、トリリアン、マーヴィン)とヴォゴン星人との間の争いである。いったいなぜそんな争いが起きたのかはわからないが、とにかく彼らは争い、戦う。そしてヴォゴン星人は最初で説明されるとおり官僚主義を絵に描いたような人々である。日本でもお役所仕事というと、いくつもはんこをもらわなければならなかったり、窓口を次から次へとたらい回されたりというイメージが付きまとう(最近は多少はよくなったと思うが)。
そしてその事情はイギリスでも変わらないし、イギリス映画などを見ていると、日本よりむしろひどいという気もする。しかもこの原作が書かれたのは昔の話であり、“お役所仕事”とうもののステレオタイプがまさにそのまま実行されていた時代の話だろう。実際、アーサーが映画の途中で「イギリス人は並ぶのに慣れている」ということからも、そのあたりは察することができる。
そのあたりのイギリス的なペーソスあふれる笑いを楽しめる人ならこの作品を楽しむことができるだろう。爆笑というわけではないが、最後までニヤニヤしながら見続けられるという感じではないか。
しかし、そうでない人はなかなかついていきにくい、イギリスのコメディというのは(特に昔の作品は)そのように観客を選ぶ傾向があり、この作品もそんな映画のひとつである。
独特の世界観と笑い、それを面白いと思えるかどうか、すべては見る人にかかっている。まあ、そんな映画があっても私はいいと思う。これを面白いと思うかどうかには関係なく。そして、こんな映画が公開されたこともいいことだと思う。
ただ、結末のつけ方がなんだかハリウッド映画じみているのが気に入らない。これで何とかマニア以外の観客も納得させようとしたなのか何なのかわからないが、こういう映画は徹底的に最後までひとつのスタイルを貫くべきだとは思った。
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