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スペインのクライム・サスペンス、しかも絵画泥棒がらみということで珍しさもあって見てみた。最初こそいろいろな登場人物が登場、サスペンスらしいスリルがあってなかなか楽しいが、オークション会場から絵画が盗まれ、その犯人を主人公が車で追いかけるというシーンのあたりから、「これはつらい」という印象ばかりが先行するようになった。問題のこのシーン、犯人と主人公がカーチェイスを繰り広げるわけだが、ただのおばさんでしかないこの主人公がどうしてこんなに見事なカーチェイスをできるのか、どんなに車の運転が得意でも、ドリフトしながら細い路地で急カーブを曲がれるはずがねぇ。そんなありえなさが興をさまさせる。
そして、一度それが気になってしまうと、そんなありえなさのオンパレード。映画のつくりとしてはオーソドックスで、サスペンス、アクション、恋愛を盛り込んで、基本に忠実に作っているのだけれど、そのすべてがお粗末な感じである。スターを一人雇ってそのスターにやらせれば、それはそれでさまになって一応見れる映画になったのだろうけれど、一番名のある俳優がウィリアム・ボールドウィンという状態では、いかんともしがたい。
このウィリアム・ボールドウィンも途中から登場した割には、気づいたころには主役みたいな感じになっているのもよくわからない。やたらと太っているせいでバイクチェースのシーンでは吹き替えなのがバレバレだし、そのほかのシーンでもやはりありえなさから失笑を禁じえない。
犯人のほうも、中盤で大体見当がついてしまい、主人公たちがなぜそれに気づかないのかというもどかしさばかりが印象に残った。
ヨーロッパ映画の仮面をかぶったハリウッドの低予算B級映画。今度からは監督や役者にも注意してから見ることにしよう。
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