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女と拳銃にめっぽう弱く、人情に厚く、不公平を憎むという鴨井大介のキャラクターはそのまま踏襲されており、シリーズとしての一貫性は成り立っている。前作で涙ながらに別れた女のことに一言も触れられないのは物語の展開上仕方ないことだが、ちょっとご都合主義過ぎるという批判は免れない。毎回新しいヒロインが登場するならば、各作品の終わりできっちりとけじめをつけておかないと、シリーズとしての一貫性が損なわれてしまう。
そしてもうひとつ、前作では天知茂演じる刑事といういい脇役が物語の暗い部分を背負い、田宮二郎の影を引き出していたわけだが、今作ではそのような存在となるはずの新聞記者の佐々木(山下洵一郎)のキャラクターがうすく、役割も小さいために、それがうまく行っていない。そのせいで、田宮二郎は明るいお天道様の下で派手なアクションを繰り広げるだけの男になってしまっているのだ。これでは“犬”らしさがでない。このシリーズの“犬”のイメージとは、薄汚れていた野良犬のイメージだ。一匹狼を気取っているが、完全に一匹で生き抜けるほどの大物ではなく、その時々で違う主人に飯を食わしてもらい、しかし手下となるのではなく、あくまでも野良犬のままで飼い主の手を噛むこともある。
だから、“犬”は決して日なたの存在にはならない。拳銃を手に、女には惚れられるが、女と所帯を持つこともできないし、組織の親分になることもない。雇われヤクザとして、日本中を渡り歩くしかないのだ。
だからこそ第1作が『宿無し犬』だったのであり、そのアウトローの部分が魅力なのである。この第2作は、娯楽部分だけを抜き出して、肝心の暗さをなくしてしまったがゆえに、面白みは半減してしまっている。ただただ田宮二郎の魅力だけに頼って作品が作られ、それ以上には何もない。
その故に、残念ながらシリーズの中では失敗作のひとつといわざるを得ない作品になってしまった。
第3作の『ごろつき犬』、第5作の『鉄砲犬』では天知茂が再び登場しているから、第3作以降に期待したい。
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