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「白人は飛べない」。これがこの映画の原題である。身長ではほとんどかわりがないシドニーとビリーだが、シドニーはダンクができるのに、ビリーはできない。黒人たちは「白人は飛べない」と思っているが、その通りなのだ。バスケという世界では白人が逆に差別されるというか、甘く見られる。ビリーはそれを利用して賭けで儲けているわけだが、この逆転現象というのはやはりおもしろい。そして、そのふたりが人種の壁を越えて友情を育んで行く。まあ、今となってはそれほど珍しい話でもないわけだが、しかしやはりどこかに人種の壁というのは存在していて、それを破るということは重要な問題なわけである。
そういう意味では、ビリーはいわばヒーローなのである。恋人はプエルトリカンだし、黒人しかいないバスケット・コートにも気にせず入って行く。彼のようなヒーローがいれば、人種の壁は少しずつ壊されていく。この映画はそんなことも言っているように思える。もちろん、それは白人のご都合主義とも取れるが、逆にスポーツを介すれば、黒人たちも白人を受け入れてくれるというメッセージとも取れる。これは、プロ野球選手としての経験もある(マイナーリーグで10年以上)ロン・シェルトンらしい問題のとらえ方だともいえるだろう。
まあ、とにかく、このような友情物語は気持ちがいいし、おもしろいからいい。バスケシーンの描き方もなかなかスリリングでおもしろいし、ハスラーものの定番ともいえるだましあいも効果的である。
スポーツものというと、とかく大げさだったり、劇的過ぎる展開になりがちだが、この作品はそれほど劇的にならず現実的なのが非常にいいと思う。そして、終わり方も古典的なハリウッド映画の終わり方とは違う感じで、拍子抜けという感じもするが、逆にリアルという感じもしておもしろかった。
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