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邦題が『犯罪心理鑑定人』とついているから、サイコスリラーなのかと思いきや、心理鑑定人が主人公なだけでまったくのアクション映画。明らかにサイコキラーの犯人が拘束された病院から逃亡しようとして、心理鑑定人と対決することになる。心理鑑定人のマギーはただただ逃げ回り、犯人は追いまくる。精神的に追い詰められるという意味ではサイコスリラーということができるが、主人公の心理鑑定人という設定はまったく生かされていない。
途中、患者の1人が協力者として登場したときに、その患者との関係でその設定が生かされ、何か展開があるのかと思ったらそれもないし、犯人の心理を分析して、何か手を打つのかと思ったらそれもない。これだったら、主人公は心理鑑定人である必要はなく、むしろ警官か何かのほうがリアルだし、おもしろくなった気がする。ただの心理鑑定人があんなに強いわけが…
ということで、まあひどい映画には違いないのだが、このような追いかけっこ型のサイコスリラーというのはひとつのパターンであり、同じパターンでそれこそ星の数ほどの映画が作られているわけだから、主人公と犯人と、脇役のバリエーションで他との違いを多少とも生まなければ、作品として成り立たないことは確かで、その点では、この設定は映画を見ようという興味をひくという点では多少意味があったのかもしれない。それで映画がおもしろくなるわけではもちろんないが…
この映画の救いといえば、犯人が徹底的に無慈悲なところ。多少マヌケなところはあるが、慈悲の心とか、人情とか、そういったものはまったくなく、とにかく残虐無比、それはまるでエイリアンのような存在である。敵がこのような徹底的な他者の場合、物語の構造は極端に単純化され、観客は映画を受け入れやすくなる。その点では、この犯人が見た目も恐ろしく、ほとんどしゃべらないというのもよかったのではないか。まあ、これなら犯人が人間ではなく、ゾンビとか怪物であっても何の違いもなかったと思うが、これはこれでよしということで。
そして、最後の結論は「母は強し」。どんなに恐ろしい怪物がやってきても、お母さんが守ってくれるよ。ということか?
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