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NTSB/323便の謎を追え!

2005/11/12
NTSB: The Crash of Flight 323
2004年,アメリカ,91分

監督
ジェフ・ブレックナー
脚本
ビル・ケイン
撮影
デヴィッド・フランコ
音楽
ジェイ・ファーガソン
出演
マンディ・パティンキン
ケヴィン・ダン
フランク・カッシーニ
ブレット・カレン
イザベラ・ホフマン
preview
 コモンウェルス航空323便が墜落事故を起こし、乗員乗客の半数が死亡する。NTSB(国家運送安全委員会)に勤めるアルは息子のことで家族に問題を抱えているが、事故調査委員会のチーフに任命され、現場に直行する。しかし、コモンウェルス社はなぜか乗客名簿を出し渋り、事故の原因はなかなか明らかにならない…
 飛行機事故の原因を調べる調査官という地味な主人公が活躍するドラマ。もちろん9.11のテロの影響を受けた作品だが、日本でいうところの2時間ドラマという感じの作品。
review

 これはアメリカのTVMというやつで、いわゆるテレビ向けの映画。ドラマと違うのは、基本的に映画と同じ手法で作られ、撮影もフィルムで行われているということ。したがって、テレビで放映せずに映画館にかければ普通に映画として通用するわけだが、映画館にかけるほどではないのでいきなりテレビで放映するというわけだろう。アメリカはTVのチャンネルが腐るほどあるので、このような作品も星の数ほど作られる。その中でも面白そうな作品や、メジャーな役者が出ている作品は日本にも入ってきて、DVD化されたり、多チャンネル化のコンテンツ不足を埋めたりもする。私がこの作品を観たのも、WOWOWのスペインサッカーの穴埋めとして放送されたからなので、まあその程度の作品だということだろう。
 この作品の売りは、やはり飛行機に対するテロ(の疑い)という9.11を想起させるトピックと、主人公のアルを演じるマンディ・パティンキンだろう。このマンディ・パティンキンは日本でも放映された医療ドラマ「シカゴホープ」で有名になった。日本でも外国とラマをよく見る人なら知っている顔の役者である。映画にも時々脇役で顔を出すが、いままでパットした役はなかった。
 アメリカでもこのマンディ・パティンキンがこの作品の最大の売りだったのだろうし、実際彼はなかなかうまい。どう見ても低予算の短期間で作られた作品であるにもかかわらず、それなりに観れる作品にあっているのは彼がいるからだ。飛行機事故の調査官というなんとも微妙な役どころをヒーローになりすぎず、しかし正義感として演じる。そのあたりのバランスはなかなか見事である。
 しかし、この作品いかんせんシナリオがお粗末過ぎる。まず、飛行機の事故究明なんてのは、余りに予備知識が少なすぎて推理するにも出来ない題材だから、様々な可能性をほのめかされてもどれが原因かという犯人探しによって面白さが生まれるわけではない。敵役となる飛行機会社の社長が余りに典型的な拝金主義者だというのも余りにステレオタイプだし、「テロの可能性」という切り札も安っぽい人種差別談義に摩り替えられて結局使えずじまいだった。
 日本のいわゆる2時間ドラマを見るよりは面白いけれど、やっぱりどうしても暇つぶしの域は出ないし、それなら別にこの作品でなくてもいい。監督のジェフ・ブレックナーは数多くのTVMを作っている監督で、80年代末には『大統領選スキャンダル/野望の銃弾』という評判のいい作品も作っている。しかしやはり職人的に作品を作り続ける監督という感じで、特色はないのだろう。小さくまとまったそれなりの作品、そんな作品を作り続けるというのもたいしたものだが、まあその程度の感想という感じだ。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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