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これは簡単に言ってしまえば、チャランガ・アバネーラの長編プロモーション・ビデオである。彼らに密着し、彼らのステージや練習風景を撮り続ける。そしてリーダーのだび・カルサードにインタビューをして、そのコンセプトやアイデアを聞く。さらにはキューバ映画界の大物にチャランガの人気の秘密をインタビューしたり、ととにかくチャランガの魅力を紹介しようという姿勢が見える。
というわけなのだが、その主役となるチャランガ・アバネーラがキューバのオルケスタであり、エグゼクティブ・プロデューサーが村上龍であるというのは、このPVが日々ミュージックチャンネルで流れているようなPVとはちょっと違う意味を持つということを意味する。
村上龍の努力もあって、『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』のヒットなどもあって、キューバ映画というのはそれなりにポピュラーになってきたけれど、それでもやはりマイナーな分野である。この映画の中にもチャランガ・アバネーラが日本で公演するシーンが盛り込まれていて、そこには熱狂的なファンの姿も映っているが、その会場はちょっと大きめのライブハウスというレベルのホールであり、ゆはり一部のファンのためのものという感じがする。それがより一般的な映画という形で(とはいえおそらくミニシアター系の単館上映だろうし、下手するとレイトショーのみの公開なんてことにもなりかねないが)紹介されるというのは、彼らが日本で“ポプラル”になるひとつのステップになりうるということだ。
そして、確かに観てみると、彼らの音楽に惹かれる人は多いだろう。聞いているだけで踊りだしたくなるようなリズムとホーンの響きが心地よく、キューバ音楽というマニアっぽいものであるにもかかわらず、非常にポピュラーな感じの音を奏でる。
それに、オルケスタという大人数の構成と、これだけ人気者であるにもかかわらず、お金の問題でやめざるを得ないメンバーが出てくるというのも面白い。おそらく大人数であるだけに一人当たりのギャラは少なく、それだけで生活するのは厳しいということなのだろうが、実際はもっと儲かるためにソロや少人数のバンドで活躍するためにやめて行くのだろう。それでもこのメンバーの新陳代謝というのもこのオルケスタの面白い要素のひとつである。
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