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隣のヒットマンズ 全員発射

2005/3/31
The Whole Ten Yards
2004年,アメリカ,98分

 
            
     
 
 歯科医のオズが隣に引っ越してきた殺し屋ジミーとすったもんだの大騒動を起こしてから4年、ジミーとジルはメキシコで暮らし、オズは新たな襲撃を恐れながらもシンシアと幸せに暮らしていた。しかし、そんな中、マフィアのボスで、息子をジミーに殺されたヤンニが刑務所を出所、早速ジミー探しに乗り出す…
 前作はブルース・ウィリスと「フレンズ」のマシュー・ペリーの競演ということでそこそこの話題となり、そこそこのヒットを飛ばしたが、その続編というのはいかにも弱いし、作品としてもパンチが弱い。続編のパワーダウンの典型という感じは否めない。
監督 ハワード・ドゥイッチ
原案 ミッチェル・カプナー
脚本 ジョージ・ギャロ
撮影 ニール・ローチ
音楽 ジョン・デブニー

出演 ブルース・ウィリス
    マシュー・ペリー
    アマンダ・ピート
    ケヴィン・ポラック
    ナターシャ・ヘンストリッジ

 

 

 


隣のヒットマンズ

 

 

 

 前作は、なかなかのテンポで観客を笑わせ、サスペンスとしての展開力もなかなかだった。それは、ブルース・ウィリス、マシュー・ペリー、アマンダ・ピートというテレビのシチュエーション・コメディ出身の3人のテンポのよさによるものだった。この続編でも出演者は代わっておらず、そのテンポを維持することが出来たはずなのだが、それが今ひとつなのである。
 その原因は、まず観客が前作を見ているだろうということに頼りすぎているということがある。主要登場人物4人の関係性はこの作品ではまったく紹介されないから、前作を見ていなかったり、前作のことをちっとも覚えてなかったり(私のことです)すると、彼らがいったいどんな関係だったのかということに頭を悩ますことになる。そして、会話の端々から埋もれた記憶を引き出そうとするのに気をとられて、プロットの大半を見逃してしまう。
 しかも、そのプロットがへんに凝っている。前作ではマシュー・ペリー演じるオズがあまり何もしないのだが、物語の中心にいて、彼を中心に展開されて行ったように思うのだが、今回は登場人物たちに平等に力点が置かれているようで、明確な中心が存在しないのだ。その上、ジミーとシンシアは何かをたくらんでいるようで、オズはその気配すら知ることはなかったりと、4人の関係は複雑になっているのだ。この複雑さはサスペンスとしての面白さを生む可能性はあるが、コメディとしての可能性は減じることにならざるを得ない。そしてこの作品は前者の可能性は発揮せず、後者の可能性を発揮してしまって、どうしようもないことになる。
 コメディ的な部分を担わせるために新たに導入したキャラクターも今ひとつだし、コメディとしては散々だ。まあ、面白いところといえばブルース・ウィリスの変さ加減と、マフィアのボスのお母さんくらいのところ。
 やはり全体的に言って、凝って複雑なつくりにしたのが裏目に出たというところだろう。