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とにかく「笑え」ということです。
このブールヴィル演じるアントワーヌというはげオヤジは臆面もなく出会った女の子を口説く。もちろん高級車に乗っているとはいえただのハゲのおっさんだから早々口説けるわけではないが、それでもとりあえず口説いてしまうというのが映画でも言われるフランス人らしさだろう。しかも、そのようにして口説いているのにいやらしくなく、女の子もそれに応じることはないにしても、彼に好意は持つ。ブールヴィルはそんな憎めないキャラクターをうまく演じている。
対する、ルー・ド・フュネス演じるサロイヤンのほうはいつも起こってばかりいるチビのおっさんなわけで、その対照性がこの映画の一番のポイントになる。このコンビが気に入ったのかジェラール・ウーリーは次の『大進撃』でもこのコンビを起用、「大」シリーズ(日本でそうつけられてるだけだと思うけど)へとつながる(ちなみにこの二人は、56年にもジャン・ギャバン主演の『パリ横断』で共演している)。
まあ、凸凹コンビというのはコメディの王道、特にそれがおっさんだと、面白さも倍増、アメリカではジャック・レモンとウォルター・マッソーの『おかしな二人』が有名だと思うが、これが1968年なので、この『大進撃』のほうが3年早いということになる。もちろんさらにさかのぼれば50年代のジェリー・ルイスとディーン・マーティンの「底抜け」シリーズというコンビものがあるが、彼らはこのときはまだおっさんではなく若者だったし、そのおかしさは、おっさんものとはちょっと違う。
この『大進撃』がおっさんコンビの元祖というわけではないが、このあたりからおっさんコンビものがひとつの市民権を得たと言っていいだろうと思う。
そして、おっさんコメディはやはりフランスの得意分野、この映画の癖の強さがやはり面白い。
しかし、このブールヴィルとルイ・ド・フュネスの対照性は、はなはだしく、両方面白いと思える人というのもなかなかいないのではないかという気もする。コンビ映画であるにもかかわらず直接に絡む場面があまりないのは、そのあたりのかみ合わなさによるのか。
私は、ブールヴィルのお人よしな感じの面白さに惹かれたが、それはあくまで好みに問題。ルイ・ド・フュネスのほうが先にクレジットされている(つまり主役じゃないかと予想される)次の『大進撃』のほうが名作の呼び声高いところを見ると、ルイ・ド・フュネスの方が人気なのかもしれない。
とにかく、この作品は意外にオーソドックスな感じで、アメリカのコメディのような笑いということも出来るかもしれない。映画の最初の車がばらばらになるシーンは御愛嬌、そういえば『大頭脳』にも車が真っ二つになるシーンが出てきたし、このジェラール・ウーリーは車ネタが好きなのかもしれない。
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