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この映画の勝負はそのスピードに観客を乗せることが出来るかどうかだ。一般的にアクション映画にはスピード感が重要で、観客がそのスピード感に乗ることが出来るかどうかがその映画を楽しめるかどうかの鍵になるわけだが、この映画はなおさらそうなのだ。それは、この映画のスピードが尋常ではなく速いからだ。それはアクションシーンのスピード感もそうだが、なんと言っても映画としての展開のスピードが速い。映画の始まりからして、わけのわからないロボットとの対決シーンに始まり、何の説明もないまま終わり、そのあとも説明らしい説明はされずに次のシーンに移ってしまう。それからの展開も、説明らしい説明はほとんどなく、どんどん物語は展開して行ってしまう。
このジェットコースターのようなスピードに乗れるかどうかが観客としての勝負なのだ。このスピードに乗れれば映画を楽しめる。しかし、のほほんと構えていると、すっかり乗り遅れ、まったく退屈な映画になってしまう。まあ、それは映画としての欠陥といえなくもない。この映画は万人に受けるわけではないわけだから。こんなお気楽な娯楽アクション映画の体面をしているわけだから、だれも構えて見やしないだろう。観客な様々な期待にこたえることが出来ないという点では、この映画は失敗作といわざるを得ないのだ。
それでも私はこの映画は面白いと思う。たしかに、映画の内容はまったくたいしたことがない。トレジャー・ハンターなんて使い古された題材だし、秘密結社じみた謎の儀式で世界を手にするなんてのは、B級どころかD級E級映画でも散々使われてきた手だ。そして、この映画の物語の説得力はそんなD級E級映画並みでしかない。しかし、このスピード感がそのすべてを忘れさせる。そんな映画の退屈さ、陳腐さ、安っぽさをすべて置き去りにしながら映画は進んで行ってしまうのだ。
アンジェリーナ・ジョリーのアクションは決してうまいとはいえないけれど、おそらくスタントも使いながら、その映画のスピードを邪魔しない程度には充分こなせていると思う。スピード命のこの映画で、アンジェリーナ・ジョリーの魅力がその唯一と言ってもいいスパイスになっている(イアン・グレンのニヒルな魅力も一部には受けるだろうけど)。男性はもちろんアンジェリーナの肢体の魅力に見せられるわけだが、女性もそのダイナミックなアクションで気分爽快になるのではないかと思う。ちょっと強すぎるという感はあるが、バッタバッタと男性をなぎ倒していくその蹴りは見ていて気持ちがいい。
一般的にはあまり評判はよくないけれど、こんなもんというか、これでいいのでしょう。はまればアドレナリンが出まくります。
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